介護が必要になった人が、快適に、かつ安全に使用するための介護ベッド。
様々な便利な機能がついています。
しかしながら、ベッド周りでの事故やヒヤリハットが多いことも事実です。
この記事では、介護ベッド周りでおきる事故やその原因についてお伝えします。
介護ベッド関連の危険性を知り、安全に使用できるようにしましょう。
介護ベッドで事故になる理由6つ
介護ベッドには、利用者の安全や介護のしやすさなどを求めて、様々な機能が付帯されています。
その反面、うっかりすると思いもよらない事故が起きてしまいますので、細心の注意が必要です。
その① サイドレールに手足を挟む
介護ベッドには、利用者の転落を防ぐためのサイドレールがついています。
これは隙間のある柵状になっていますので、無意識のうちにこの隙間に手や足が入ってしまうことがあります。
手や足がサイドレールの柵の間に入ったまま、ベッドの背を上げる、起き上がる、寝返りを打つなどの動作により手足が挟まれ、ケガに繋がってしまいます。
その② 並んだサイドレールの隙間に首が入る
サイドレールを二つ並べて設置していた時、その間に首が挟まることがあります。
ベッドの上に座った状態、背を上げた状態のときに体位を保持できず倒れ、首が挟まってしまうなどという事故が起きています。
サイドレールの取り付け方が間違っていると、サイドレール間の隙間が広くなり、よけいに首が入ってしまいやすいです。
その③ サイドレールとマットレスの間に挟まる
ベッドに適合していないマットレスやサイドレールを使うことは危険性を伴います。
マットレスとサイドレールとの隙間が広くなりすぎてしまうからです。
この微妙な隙間に首が挟まってしまうという信じられないような事故が起きています。
その④ ベッドフレーム等に間に挟まる
ベッドフレームがパイプ状の場合、パイプの間に手や頭などが入り込み、挟まってしまうことがあります。
ベッドフレームとサイドレールの隙間も危ないです。
ベッドから身を乗り出して物を取ろうとし、この隙間に首が入り込んでしまうという危険性があります。
その⑤ 衣類がベッド用グリップに引っかかる
開け閉めができるタイプのベッド用グリップには、ドアを固定するためのレバーがついています。
この固定レバーに衣類がひっかかって転倒などの事故が起きています。
その⑥ 首振りの固定バーが外れて転倒する
ベッド用グリップや介助バーなど、ドアが開け閉めするタイプのものがあります。
このタイプは、首振り固定バーをしっかり固定する、しっかりロックすることが非常に大切です。
しっかり固定されていないと、ドアが急に動いて転倒してしまうという事故を引き起こします。
安全に介護ベッドを利用するポイント
以下のようなポイントを頭に入れて、介護ベッドをより安全に使用しましょう。
その① 隙間に注意する
事故は思わぬところで多きるものです。
小さな隙間と思っても事故の原因となります。不要な隙間があったら、できるだけふさぐようにしましょう。
まず、マットレスやサイドレールなどの部品は、ベッドの規定に合ったものを選びます。
そして、サイドレールにはカバーをつける、サイドレールとサイドレールの間にはスペーサーを入れるなどの対策をとりましょう。
隙間が狭いようでも、手が入り込むなど少しでも危険性があるときには、毛布やクッションなどを利用して、埋めると安心です。
その② 転倒・転落に注意する
利用者が転落しないよう、マットレスの厚みを考えてサイドレールを選びましょう。
また、ベッド周りを整理整頓し、利用者が無理な姿勢を取らなくて済むように、環境を整えます。
ベッドの高さは、利用者がベッドに乗り降りするとき無理のない低さを保ちます。
ベッド用グリップは必ず固定して使いましょう。
その③ ベッド操作に注意する
介護ベッドのリモコン操作自体が、うっかりすると事故の原因になります。
電動リモコンはうっかり触っただけで作動してしまう可能性がありますので、必ず安全な場所に置きます。
また、リモコンを操作する時には、利用者の手足がサイドレールなどに入り込んでいないかなど、安全を確認してから操作しましょう。
ぶつかるもの、挟まるものがないこと、そして小さな子供がベッドの下で遊んでいることのないよう、確認しましょう。
その④ 使用前や使用中に点検する
介護ベッドは様々な機能が装備されているため、使用方法をしっかりと理解しておく必要があります。
使用前に、よく取扱説明書を読み、正しい使用法を理解しましょう。
使用中に何か不備を感じたら、必ず点検、修理を依頼しましょう。
専門的にチェックしないと、自分では気が付かない故障があり、大きな事故につながる可能性があります。
まとめ
介護ベッドは、介護を受ける人が快適に介護を受け、かつ安全に過ごすための工夫がされています。
一方で、思いもよらぬ事故も起きており、細心の注意を払う必要があります。
介護ベッドを使う時にはその使い方ともに、危険性についてもよく頭に入れておきましょう。