毎日続く介護生活は肉体的な労力と精神的な緊張を必要とし、介護者にとって大きな負担になります。
夢中で介護を続けるあまり、知らず知らずのうちに疲れが蓄積し、気が付くと日常生活に支障をきたしていたということは少なくありません。
介護疲れで自分を追い込んでしまわないよう、その原因と対策を知ることが大切です。
介護疲れの原因とは?
その① 肉体的な介護疲れ
介護は肉体的な労力を必要とする重労働です。
ベッドで横になっている人を起こす、寝返りを打たせることから、おむつの交換、立ち上がりの介助、ベッドから車いすへの移乗など体力を使うことが多いです。
中腰での作業も多く、足腰に負担がかかります。
入浴やトイレの介助でも体を支えるなど労力が必要かつ、夜間に何度も起きての介護も必要となると睡眠不足になり、体が休まりません。
また、一日3度の食事の支度も負担が大きいです。
健康な家族の食事でも一日3食を毎日続けることはとても大変で、それが介護食となるとその負担はかなりのものになるでしょう。
その② 精神的な介護疲れ
介護は相手のいることで、自分の思い通りには進みません。
身内であるが故にわがままがでたり、不平不満を遠慮なくぶつけるということもあり、イライラしたり腹が立ったりすることが多いものです。
その裏で、大切な家族だけに以前の元気な姿に戻って欲しいという願いや、自分が十分に介護しているのかという葛藤もあるでしょう。
また、いつまで続くのか先が見えない不安も大きなストレスとなります。
介護疲れをセルフチェック!
介護疲れは、日々の忙しさに流されてそのサインを見逃してしまいがちです。
自分のためにはもちろん介護される人のためにも、追い詰められて体調を崩してしまう前に、なんらかの対策をとらなければなりません。
日頃から自分の介護疲れについて意識を持ち、今自分がどんな状態なのか理解することが必要です。
下記のセルフチェック項目を利用し、早めに介護疲れの対策を打ちましょう。
<セルフチェック項目>
以下の項目のうち、2項目以上が2週間以上、ほとんど毎日続いている⇒要注意
それが原因でつらい気持ちになる、毎日の生活に支障をきたす⇒介護うつの可能性もあり
- 毎日の生活に充実感がない
- これまで楽しかったことが楽しめない
- 前は何も問題なくできていたことが、今は億劫に感じる
- 自分は何の役にも立たないと感じる
- 何もしていないのに疲労感がある
介護疲れの対策や対処法
その① 全力で頑張らない
真面目で頑張り屋の人、介護は頑張りすぎないでいいのです。
情報社会の現代、様々な情報に振り回されることもありますが、よいといわれることをすべて完璧にこなす必要はありません。
自分ができることを無理せず、自分のペースでこなすことが大切です。
手を抜けるところは抜いて、とにかく自分が健康でいることを第一に考え、休めるときに休みましょう。
夜しっかり眠り、毎日しっかりした食事をとりましょう。
そうはいっても、介護生活の中ではなかなか実現できないという時には、ショートステイという方法もあります。
ショートステイは短期間だけ介護施設に入所するサービスで、介護者の疲労回復目的にも使うことができます。
2~3日でも上手に利用して充電できる日を作りましょう。
その② 相談できる人を作り頼る
何事も自分一人で抱え込んでよいことはありません。
介護の疲れがたまった時には、家族や親戚、気の置けない友人など、信頼できる人に頼ってみましょう。
一時的に介護を交代してもらう、家の中のことを手伝ってもらうなど、何らかの形で協力してもらえるかもしれません。
また、単に話し相手になってもらうことにもとても重要な意味があります。
愚痴を聞いてもらうだけでも気持ちがすっきりするものです。
まとめ
介護に携わる人はだれでも介護疲れを感じることがあるものです。
疲れがたまりすぎてしまうと、日常生活に支障をきたすこともあるため、自分の疲労度をしっかりと把握し、早めに対策を打つことが大切です。
紹介したセルフチェック項目を利用し、介護疲れ対策を行いましょう。