認知症は高齢者だけではなく、65歳未満でも発生することをご存知ですか?
65歳未満の認知症を若年性認知症と言います。
一般的な高齢者の認知症と若年性認知症とは、どのような違いがあるのでしょうか。
今回は、その症状や原因について、そして実際にその介護にあたる経験者のブログについてご紹介します。
若年性認知症について
若年性認知症とは、65歳未満の人に発症する認知症です。
認知症というと、高齢者の病気と思う人がほとんどではないでしょうか。
そのため、本人も周りもすぐに認知症を疑うことが少なく気付きにくいという面があります。
その① 若年性認知症の原因
若年施認知症には様々な原因がありますが、主な原因となるものは二つあります。
「脳血管性認知症」と「アルツハイマー型認知症」です。
これらの2疾患は、若年性認知症の原因となる基礎疾患全体の6割を占めています。
脳血管性認知症とは、脳の血管障害が原因となる認知症です。
例えば、脳内に梗塞ができて血流が悪くなる脳梗塞、血管が破れて出血する脳出血、くも膜下出血などです。
これらの疾患では、まず急性期に、発作が原因で意識障害、麻痺、言語障害などの症状が現れます。
これが回復すればよいのですが、回復期になっても麻痺や言語障害が残ることがあります。
こうなると、体が思う様に動かないことに対し失望感を抱きがちです。
そして、物事に対して意欲をなくす、記憶障害が起きるなど、高次機能障害が発生してきます。
身体的な障害と、高次機能障害が複雑に絡み合って、認知症の症状が発生するといわれています。
この「脳血管性認知症」が原因であることが多いことは、若年性認知症の一つの特徴です。
その② 若年性認知症の男女比
2009年に厚生労働省によって行われた調査によると、若年性認知症の患者数は約3万8千人です。
18~64歳の10万人当たりの患者数は、男性57.8人、女性36.7人とされ、男性の方がその割合が高いです。
推定発症年齢の平均は、51.3歳。働き盛りの年齢での発症は、家族への影響も深刻。
家族を支える収入の減少や、介護する家族のうつ症状が訴えられています。
若年性認知症は早期発見・早期治療が大切
若年性認知症は、働き盛りの年齢層の方が発症することが多いです。
この年齢層では、毎日の仕事や家事、育児などに忙しく、気になる症状が現れても「認知症を疑い受診する」というところに即繋がらないケースが多いです。
もの忘れが増えた、何となくやる気がない、物事が億劫でスムーズにはかどらないのなどの症状が現れても、「疲れ」「更年期障害」など、ほかの原因を考えやすいです。
こういったことから受診までに時間がかかってしまうのです。
実際、若年性認知症の初期症状は、うつ病、更年期障害、正常圧水頭症などの疾患と区別しにくいといわれており、若年性認知症という診断までに時間がかかることがあります。
しかし、若年性認知症の進行を遅らせるために、早期発見・早期治療が重要。
早く治療を開始することで、症状の進行を遅らせ、かつ生活の改善を図ることができます。
自分や家族が病気について知り、有効な対処法により今後の生活や仕事への準備を進めることができます。
若年性認知症の介護ブログ
その① 『若年性アルツハイマーの母と生きる 岩佐まり』
筆者の岡さんは、55歳で若年性アルツハイマーを発症されました。
愛する母に寄り添い、介護を趣味と称する筆者の日々の生活がつづられています。
https://ameblo.jp/youko-haha/entrylist.html
その② 『サキさんの介護日記』
若年性認知症の奥様との生活をつづっています。
奥様への感謝の想いが至るところにちりばめられ、ジンとくる日記です。
https://blog.goo.ne.jp/53m722651e25
その③ 『意味性認知症の夫との闘病記』
53歳で若年性アルツハイマー病と診断されたご主人とその病状、そして本人と家族が抱く不安、様々な支援や制度について書かれています。
https://ruru630.at.webry.info/
その④ 『アルツハイマーの父親と』
若年性アルツハイマー型認知症の父親と息子の記録小説型ブログ。
初期症状に気づきはじめ、受診させるときから16年以上にわたり、父親の様子と家族の行動・思考が、淡々と記されています。
http://oretomo.blog46.fc2.com/
その⑤ 『若年性認知症のだんな様とSLEの次女ちゃんと共に』
56歳で若年性認知症と診断されたご主人との日々をポジティブにつづるブログです。
今ある幸せに感謝という気持ちが伝わってきます。
公的支援についても、記されています。
まとめ
認知症は高齢者特有の疾患と思いがちですが、若い世代でもかかる若年性認知症という病気があります。
早期発見、早期治療でその後の進行を遅らせることができますので、気になる症状があったら、早めに主治医に相談しましょう。