介護の仕事をしている時は、業務をこなすことに精一杯で、日頃から明確な目標を持って働いているという人は少ないかもしれません。
この記事では、介護技術の向上目標の設定方法について、自己評価シートの活用について詳しく解説します。
まずは自分自身を知る
介護技術の向上目標を設定するためには、まず今の自分の課題点をきちんと明確にしなければなりません。
自分の苦手なことを補い、得意なことを伸ばすと良いでしょう。
そのためには、自分の苦手なこと、得意なことは何なのかを自分自身で知る必要があります。
その① 苦手なコトはなにか
実際に介護を行っている際に、困ってしまうことや、難しく感じることはありませんか?
そのように感じることが、自分の苦手なコトであり、課題であります。
困っている原因や、難しく感じる理由をひもといていくと、目標の基となる課題点が見えてきます。
その② 得意なコトはなにか
逆に介護を行っていて難しく感じずに、好きなこと、楽しいこと、周りの人から褒められることはありませんか?
そのようなことが自分の得意なコトであり、強み、才能です。
今後どんどん理解を深め、伸ばしていくこともできます。
その③ 自己評価シートを活用
介護技術と一言で言っても、利用者の身の回りの介護から事務的なものまで、その技術内容にはさまざまなものがあります。
抜けなく評価するためには、自己評価シートを活用すると良いでしょう。
自己評価シートの詳細
自己評価シートにはいくつかの能力ユニットに対して、それぞれ職務遂行のための基準があり、それに対する自己評価、企業評価を記入します。
評価はA:常にできている、B:大体できている、C:評価しないの3段階で評価します。
能力ユニットは以下の内容です。
【能力ユニット】
- 基本業務
- 時間配分
- 工夫・改善
- 療養環境の整理
- 尊厳と自立支援の視点で行う介護
- 基礎的な介護を行ううえでの会議等への参加
- 基礎的な介護(移動・リハビリに関する介護、栄養と食事に関する介護、排泄に関する介護、更衣・整容に関する介護、入浴に関する介護、レクリエーション・集団リハビリに関する介護)
- 記録(計画書・記録の扱い)
自分自身を理解したら目標設定
自分自身の苦手なコト、得意なコトを理解することができたら、今度はそれを元に目標設定に移ります。
具体的な目標を立てるためには、明確にするべき以下の3つのポイントがあります。
その① 目標を明確にする『理想』
自分の理想とする介護を、個人目標にしたいと考える方もいるでしょう。
この「理想」を具体化するには、どのような方法によってその理想に近づくのかを明確に捉える必要があります。
例えば、「先輩のように利用者さんを笑顔にしたい」という理想を抱いた場合、先輩がいつも笑顔で利用者さんに接しており、それが利用者さんの笑顔の元になっているのということがわかり、「いつも笑顔でコミュニケーションをとり、利用者さんも笑顔にしたい」という目標にすることで、笑顔で接する意識を持つことができます。
その② 目標を明確にする『行動』
理想ではなく、より現実的に「介護技術を向上させたい」と思う人もいるでしょう。
この「行動」を具体化するには、自分の苦手な行動を把握し、どのようにすれば、介護技術を向上できるのかを捉える必要があります。
例えば「移乗介助が苦手なので、移乗介助に関する講習会に参加し、技術を身につけたい」という目標にすれば、自分が何をすべきか意識しやすくなります。
その③ 目標を明確にする『取りたい資格』
介護士が取っておきたい資格には、介護職員実務者研修、介護福祉士やケアマネジャー、レクリエーション介護士や福祉用具専門相談員などがあります。
漠然と考えるのではなく、自分の最終目標を決めた上で、段階を踏むように資格を取得していくと良いです。
例えば、将来的にケアマネになりたい場合、「実務経験に関係なく受験できる福祉住環境コーディネーターの資格をとり、その後介護福祉士の資格を取り、ケアマネの資格を取る」など、数年単位で具体的な計画を立ててみるといいでしょう。
まとめ
この記事では、介護技術の向上目標の設定方法について、自己評価シートの活用について詳しく解説しました。以下にこの記事の内容についてまとめます。
- 介護技術の向上目標を設定するためには、自分自身の苦手なコト、得意なコトは何かを知る必要があります。
- 自己評価シートを活用し、介護技術について細かく評価することで、抜けなく自分自身の介護技術について理解できます。
- 自分自身を理解することができたら、「理想」「行動」「取りたい資格」この3つのポントを明確にし、具体的な目標を立てていきます。
日々の介護業務が忙しく、明確な目標というものを持って働いている人は少ないかもしれません。
介護業務もなんとなくこなしていると、自分の苦手なコト、得意なコトも曖昧になってしまいます。
自分自身を知り、課題や目標を具体的にすることで、日々の介護業務への取り組む姿勢や意識が変わり、より良い介護を行えるようになると思います。