国民健康保険被保険者証や後期高齢者医療被保険者証には、一年間の有効期限がありますよね。
そのため、介護保険証も有効期限があると思われがちですが、実は介護保険証の有効期限というものはありません。
ただし、要介護認定の有効期間というものは定められています。
少し混乱しがちですので、この記事を読んで、介護保険証の有効期限について知識を深めましょう。
介護保険証の有効期限はない
国民健康保険被保険者証や、後期高齢者医療被保険者証には、一年間の有効期限があります。
毎年8月が更新の時期ですので、7月末までには新保険証が送られてきます。
しかし、介護保険証は送られてきませんので、おかしいな?と感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、介護保険証には有効期限がありません。
新しい介護保険証が届かなくても、心配しないで大丈夫ですよ。
介護保険証にはなぜ有効期限がないのか?
平成12年4月にスタートした介護保険制度。
当初は、介護保険証にも有効期限が定められ、更新が行われていました。
しかし、平成17年10月、介護保険制度の見直しに伴い、この有効期限が廃止されました。
この背景には、介護保険証の性質と、要介護認定があります。
その① 介護保険証を持つだけでは給付は受けられない
まず、介護保険証は資格証明のような役割であるということ。
介護保険給付を受ける資格を持っている証明というような位置づけで、持っているだけでは、介護保険給付を受けることはできません。
実際に介護保険給付を受けるときには、要介護認定調査を受ける必要があります。
持っているだけでは給付を受けられないのですから、そもそも介護保険給付を受けていない方については、わざわざ有効期限を設け、更新する意義が乏しいといえます。
また、介護保険給付を受けている方に関しては、要介護認定調査が、実質的な介護保険証の更新であるとされました。
このようないきさつで、現在は介護保険証に有効期限が定められていないのです。
要介護認定の有効期限はある
さて、上記で触れた要介護認定調査ですが、実はこれが介護保険給付を受けるにあたって、とても重要な事柄になります。
その① 要介護認定調査とは
要介護認定調査とは、実際に要介護状態になったときに介護保険給付を受けるための調査です。
その人の心身の健康状態を調査し、どの程度の介護が必要かという判断をするものです。
この調査の結果、要介護であるという認定が下りて初めて介護保険給付を受けることができます。
その② 要介護認定調査は定期的に繰り返し行う
この要介護認定が下りるとき、その人の心身の健康状態によって、7段階に分けられた要支援・要介護度が決められます。
健康状態は時間の経過とともに変化することから、定期的に要介護認定調査を行わなければなりません。
そこで、要介護認定には有効期間を定め、期間が満了する前に改めて要介護認定調査を行うようになっているのです。
要介護認定の有効期間は、現在最大で3年間です(状況により異なる)。
3年ごとの要介護認定調査により、その人の現在の状態に見合った介護度を判定し、適切な介護サービスが受けられるように摂り測られています。
手元の介護保険証で要介護認定の有効期間の確認を
要介護認定の有効期間は、介護保険証の中面左ページに記載されています。
大抵の場合、担当のケアマネージャーさんのほうから、要介護認定調査の段取りを進めてくれますが、自分でも有効期間を知っておき、認定調査への心の準備をしておくとよいですね。
まとめ
健康保険証と違って、介護保険証には有効期限がありません。
そのため、介護保険給付を受けていない方は介護保険証の更新はなく、手元に保管しておくだけで大丈夫です。
介護保険給付を受けている方の場合は、要介護認定に有効期間があり、定期的に要介護認定調査を受ける必要があります。