仕事と介護との両立のために、大変便利な制度が介護休暇です。
要介護状態にある家族のお世話のために使うことができる、法で定められた休暇です。
この介護休暇取得の理由として、病院の付き添いや買い物は認められるのでしょうか?
今回は、介護休暇を取得する条件や介護として認められる範囲などを解説していきます。
そもそも介護休暇とはどういう制度?
介護休暇は、家族の介護の必要がある労働者が、働きながら介護が続けられるよう支援するための制度です。
育児・介護休業法という法律のもとに定められており、一定の労働条件を満たしている労働者なら、誰にでも権利があります。
会社の就業規則などに介護休業がうたわれているかどうかは関係ありませんので、介護休業制度について自分自身で知識を深めておくといざという時に役に立ちます。
その① 介護休暇を取得できる人の条件
*雇用期間が6か月以上あり、要介護状態の対象家族を介護している、かつ、日雇いではないこと。
基本的には、正社員、アルバイトやパート、派遣社員や契約社員の区別はありません。
ただし、労使協定により「雇用期間が1年未満」「1週間中の労働日数が2日以下」「介護休暇申請後3カ月以内に雇用が終了する」のいずれかに当てはまる場合は、適応外の可能性があります。
労使協定は、育児・介護休業法免除の効力を持つので、しっかりと確認しましょう。
*親など対象となる家族が、「要介護状態」であること。
「要介護状態」とは、「負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」を指します。
「常時介護を必要とする状態」については判断基準が定められており、介護保険の要介護認定を受けていなくても、条件を満たせば対象となります。
介護保険の要介護認定を受けている場合は、要介護2以上が対象です。
*対象家族が以下の範囲に入っていること。
配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫(同居・扶養要件を問わない)
その② 取得できる介護休暇の日数
介護休暇は、取得できる日数が決められています。
対象家族が1人の場合は、1年度に5日まで。
対象家族が2人以上の場合には、1年度に10日までです。
一日単位、または半日単位で取得できます。
2021年1月1日からは、時間単位での取得が可能となります。
その③ 介護休暇を取る方法
介護休暇をとりたい時、取得申請は会社に対して行います。
一日または半日単位という短い時間の休暇のため、会社によって、定められた申請用紙を提出するところや、普通の休暇のように上司に口頭での申し出で済ませるところもあります。
また、対象家族の介護度などがわかる書類の提出が求められる場合もあります。
介護休暇で病院の付き添いは認められるか
介護休暇は、介護が必要な家族のお世話をするための休暇です。
家族のお世話とは、食事介助、排泄介助などの直接的な身体介助だけでなく、家の中の掃除や洗濯など生活介助、病院への付き添いや送迎、各種事務手続きの代行などの間接的な介護も含まれます。
対象家族が体調を崩して病院に行きたい時に付き添うことは、介護休暇を取る十分な理由として認められます。
介護休暇で買い物は認められるか
要介護状態である人が、一人で買い物に行くことは難しいものです。
買いものに行きたいが一人では心配な人に付き添ったリ、本人の代わりに買い物を代行することは、間接的な介護の一つです。
したがって、介護休暇の取得も問題ありません。
まとめ
介護休暇は、家族の介護のために取得できる法律で認められた休暇です。
身体介助など直接的な介護だけでなく、掃除や洗濯、通院の付き添い、事務手続や買い物の代行などの間接的な介護も取得理由として認められています。
介護をしていると仕事を休みがちになりますが、有給休暇は自分のために使えるよう、介護休暇を上手に活用しましょう。