家族に介護が必要になったとき活用できる制度に、介護休業や介護休業給付金が挙げられます。
家族に介護が必要だと認められた場合、1年度を通し最大で93日間の休暇を取得できるのが、介護休業です。
また介護休業給付金は、介護休業中に賃金の一定割合が支給される制度です。
今回は介護休業給付金にスポットを当てて、必要書類や申請書の書き方などについて解説してきます。
介護休業給付金の申請方法に関して、興味がある方はご参考になさってください。
介護休業給付金の申請方法について
介護休業給付金は介護休業中に活用できる制度であり、申請が認められれば休養中に賃金の約7割が支給されます。
介護休業給付金を受給するには、いくつかの要件を満たす必要があります。
介護休業給付金を受給するための要件は以下の通りです。
【介護休業給付金 受給要件】
【参考サイト:ハローワーク 介護休業給付の内容及び支給申請手続について、支給対象者】
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/kaigokyuugyou.pdf
なお契約社員や派遣社員などの、契約期間を定めて雇用されている労働者は、介護休業給付金を受給するには上表で紹介した要件に加え、次の要件を満たさなければなりません。
【介護休業給付金 追加受給要件(対象:契約期間を定めて雇用されている者)】
【参考サイト:ハローワーク 介護休業給付の内容及び支給申請手続について、支給対象者】
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/kaigokyuugyou.pdf
介護休業給付金の受給対象者に、該当しているか不明なときには、ハローワークへ確認するとよいでしょう。
介護休業給付金の申請ですが、勤め先の会社を管轄しているハローワークへ、原則的に事業主が申請を行います。
また申請者が希望するのであれば、自分でハローワークへ申請手続を行うことも可能です。
介護休業給付金の申請は、以下の2つの手続きを経る必要があります。
【介護休業給付金 申請に必要な手続き】
手続き①:受給資格確認(事業主が行う)
手続き②:支給申請(事業主または被保険者が行う)
先ほど本人でも介護休業給付金の申請が可能であると紹介しましたが、上記の手続き①に関しては、事業主が行う必要があります。
すべての手続きを事業主が行えば、介護休業給付金の申請がスムーズに行えるため、強い希望がないのであれば、事業主に申請を任せることをおすすめします。
【参考サイト:東京都福祉保健局 雇用保険:介護休業給付の詳細】
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/gan_portal/chiryou/kouteki_shien/gan_kaigo/kaigo_kyufu.files/kaigo_kyufu.pdf#search='%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E4%BC%91%E6%A5%AD%E7%B5%A6%E4%BB%98%E9%87%91+%E6%94%AF%E7%B5%A6%E9%A1%8D'
それでは各手続きに必要な書類を確認していきましょう。
その① 受給資格確認に必要な書類
受給資格確認に必要な書類は以下の通りです。
【受給確認に必要な書類】
【参考サイト:厚生労働省 介護休業給付金】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158665.html
その② 支給申請に必要な書類
次は支給申請に必要な書類です。
【支給申請に必要な書類】
【参考サイト:厚生労働省 介護休業給付金】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158665.html
以上が介護休業給付金の申請に必要な書類となっています。
手元にある書類が、上記で紹介したどの書類に該当するのかわからないときは、ハローワークへ確認するとよいでしょう。
次の項目では介護休業給付金を申請してから、給付金を受け取るまでの流れについて解説していきます。
介護休業給付金を申請して受け取るまで
介護休業給付金を申請して受け取るまでの流れは、以下の通りです、
【介護休業給付金の申請の流れ】
【参考サイト:東京都福祉保健局 雇用保険:介護休業給付の詳細】
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/gan_portal/chiryou/kouteki_shien/gan_kaigo/kaigo_kyufu.files/kaigo_kyufu.pdf#search='%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E4%BC%91%E6%A5%AD%E7%B5%A6%E4%BB%98%E9%87%91+%E6%94%AF%E7%B5%A6%E9%A1%8D'
上図の通り、介護休業が終了したのち、介護休業給付金の申請を行えるようになります。
介護休業給付金の申請期限は、介護休業終了日の翌日から、2か月が経過する日が属する月の末日までとなっています。
4月15日に介護休業が終了するケースでは、4月16日~6月30日が介護休業給付金の申請期間です。
なお手続き①と手続き②は事業主が申請を行う場合、同時に行うことが可能となっています。
介護休業中や介護休業が終了したのちすぐに、給付金を受け取れるわけではない点に注意しましょう。
介護休業給付金支給申請書の書き方
さいごに介護休業給付金の申請書の書き方に関してです。
基本的に該当する項目に、必要事項を記入していくかたちになります。
申請書には記載方法がわかりにくい箇所がいくつかありますので、当該箇所の記載例をご紹介しておきます。
項目の前に記載された番号は、介護休業給付金支給申請書に記載された番号と、同様のものとなっています。
【介護休業給付金支給申請書の記載例】
- 介護休業被保険者の個人番号
- 被保険者番号
- 資格取得年月日
- 事業所番号
- 介護休業開始年月日
- 介護対象家族の個人番号
被保険者のマイナンバー
雇用保険被保険者証に記載されている番号
雇用保険被保険者証に記載されている、被保険者となった年月日
事業所番号が10桁の場合は、左詰めで記載
事業主が取得を認めた介護休業が開始する日にち
介護休業を取得する理由となった家族のマイナンバー
上記の項目以外の記載方法については、以下のサイトに記載例が紹介されていますので、当該サイトを参考にし、申請書を作成することをおすすめします。
【参考サイト:ハローワーク 介護休業給付の内容及び支給申請手続について、介護休業給付金支給申請書記載例】
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/kaigokyuugyou.pdf
まとめ
介護休業給付金の申請方法や申請の流れ、申請書の記載方法について解説してきました。
介護休業給付金の申請方法に関して、理解が深められたのではないでしょうか。
介護休業給付金支給申請書の書き方をまとめると
- 介護休業給付金は、原則的に事業主が勤め先を管轄しているハローワークへ申請を行うが、一部の手続きに関しては本人が申請することも可能である。
- 介護休業給付金の申請は、介護休業終了後に行い、受給資格の確認と支給申請の2つの手続きを行う必要がある
- 介護休業給付金支給申請書には、マイナンバーや事業所番号、介護休業の開始年月日など、必要箇所を記載する。
ということがあります。
介護休業給付金の申請がスムーズに行えるよう、必要書類は事前に用意しておくとともに、手続きの流れも確認しておきたいところです。
介護休業給付金の申請には約2か月間の期限が存在しますので、時間に余裕を持って手続きを行いましょう。