介護は医療・福祉の業種ですが、サービス業と言われることもあります。
この記事では介護はサービス業になるのか解説します。
また、介護の3つの専門性についても解説します。
介護ってサービス業では?
サービス業には接客業というイメージがあります。
介護は医療・福祉の専門職であり、専門の知識や技術で高齢者の自立支援を行う職業であるため、介護の仕事=接客業と考えると違和感があります。
しかし、サービス業の範囲は広く、細かく分けていった時に介護は専門サービス職として捉えられ、広域の意味ではサービス業に含まれるのです。
そもそもサービス業とは何?
「サービス業」とは、言葉通り「お客様に対してサービスを提供する業種」のことです。
具体的にはサービスによる効用や効果、または満足感や感動といった「形の無い財」を提供することで対価を得るのが特徴です。
「サービス(service)」には「接客」の意味の他、「貢献」「奉仕」「役に立つこと」などの意味があります。
また、人や環境のために尽力し、相手や状況に合わせて求められることを行うこと、世話をすること、という意味も持ち合わせています。
介護がサービス業って言われることが多い理由
サービス業は第一次産業、第二次産業に該当しない業種のことを言います。
第一次産業は、農業、林業、漁業、第二次産業は鉱業、建設業、製造業です。
それ以外の業種は第三次産業であるサービス業となり、形のない財を提供する非製造業のことを指します。
介護の仕事のように専門の知識や技術を提供する専門家はサービス業に該当します。
介護の専門性について
介護は生活全般に関わる広範な仕事です。
介護福祉士の専門性という点については、排泄、移乗、入浴、食事などの生活介助はもちろんですが、観察などから情報収集をして、それらを統合・分析し、どのような課題、ニーズがあるのか発見したうえで、QOL(生活の質)を高めるための介護方法を見出していくことが大切です。
実際にその利用者に最適な介護を実践し、目標達成するためには、介護職員の指導や教育も必要ですし、関係職種との連携やさまざまな面での環境の整備も求められます。
これらができるのは介護職として守るべき倫理や介護実践の原則をよく理解し、介護という仕事のなかで守り、実行できるという前提があります。
その① 介護過程の展開による根拠に基づいた介護実践
利用者の自立に向けた介護過程を展開し、根拠に基づいた質の高い介護を実践することが重要です。
その② 指導と育成
自ら介護等に関する知識及び技能の向上に努めるだけでなく、自立支援に向けた介護技術等、具体的な指導・助言を行う必要があります。
その③ 環境の整備と多職種連携
利用者の心身その他の状況に応じて、福祉サービス等が総合的かつ適切に提供されるよう、物的・人的・制度的等、様々な環境整備を行うとともに、福祉サービス関係者等との連携を保たなければなりません。
まとめ
この記事では、介護はサービス業になるのか、また介護の専門性について詳しく解説しました。以下にこの記事の内容についてまとめます。
- 「サービス業」とは「お客様に対してサービスを提供する業種」のことであり、形のない財を提供する非製造業はサービス業に含まれます。介護の仕事のように専門の知識や技術を提供する専門家はサービス業に該当します。
- 介護の専門性とは、利用者の生活をより良い方向へ変化させるために、根拠に基づいた介護の実践とともに環境を整備することができることです。介護過程の展開による根拠に基づいた介護実践、指導と育成、環境の整備と多職種連携が重要です。
介護の仕事は「専門の知識や技術」というサービスをお客様に提供するサービス業です。
介護の仕事をする際にはそのことを頭に置き、ホスピタリティ精神を持って、仕事に取り組むと良いでしょう。
また、介護の専門性を極め、環境整備や他職種連携など様々な視点から仕事に取り組めるようにしましょう。