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認知症ケアの基本を紹介!介護目標の立案について教えます

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認知症ケアの基本を紹介!介護目標の立案について教えます
認知症の対応によっては認知症の症状を悪化させてしまう場合もあり、正しいケアの方法を知っておく必要があります。

この記事では、認知症ケアの基本と介護目標の立案について詳しく解説します。

認知症ケアの基本について

認知症ケアの基本について
認知症の症状は人によって様々であり、その人その人に合わせた対応が望ましいです。

ここでは、認知症ケアを行うにあたり基本的な部分について説明します。

その① とにかく関わりかたが重要

認知症ケアの基本としてまずは関わり方が重要です。

認知症の方と関わる際には、以下の4つの接し方を心がけると良いです。

  • 気持ちを理解し受け入れる
  • 本人のペースに合わせる
  • 褒める、感謝する、相槌を打つ
  • スキンシップ、アイコンタクト、ジェスチャーを使う

①気持ちを理解し、受け入れる

認知症の方が理解しがたい言動をするのは、何かしら不安を抱えているためです。その不安な気持ちを理解し、取り除くようにしましょう。

また、否定したり訂正したりせず、受け入れるようにしましょう。

②本人のペースに合わせる

無理に訓練させたり、部屋を模様替えしたりなど、無理強いや急な環境変化は、ストレスの元になります。認知症の方がリラックスして過ごせるよう、本人のペースに合わせましょう。

普段から家族関係など周囲の人間関係を良くすることで、安心してもらうことも大切です。

③褒める、感謝する、相槌を打つ

嫌な気持ちは消えずに蓄積されますが、嬉しい感情もまた蓄積されます。

褒める、感謝する、相槌を打つことは、認知症の方も自分自身を認めてもらえたと感じ、気持ちも良くなります。悪い感情を残さないように心がけましょう。

④スキンシップ、アイコンタクト、ジェスチャーを使う
言葉以外のコミュニケーションも積極的に使用していきましょう。

スキンシップ(肌の触れ合い)、アイコンタクト(目を合わせる)をすることによって、安心でき、心を穏やかにします。

会話をする時は、目線を合わせるようにして話をしましょう。
 
これらの関わり方とは逆に、認知症の方を叱る、ストレスを与える、放置するなどの間違った接し方をすると、妄想や行動異常が悪化する場合があります。

その② 興味のあることや趣味を探し活かす

認知症のケアを行うにはその方の性格、生活歴、職業歴などの情報を収集して、その方の興味があることや趣味を探すことが重要です。

新しいことは覚えることが難しいですが、昔やった馴染みの趣味などは覚えていることが多いです。嬉しい、楽しいというプラスの感情は蓄積され、認知症の方も自分を認めてもらえ気持ち良くなれます。

また、指先や体を動かすことは脳への刺激となり、認知症の抑制や発症予防に効果があるといわれています。

興味のあることや趣味などから、積極的に指先や体を動かすと良いでしょう。

その③ 気分転換のケアを意識する

「気分転換のケア」とは、認知症の人がとらわれている感情をほかに向けるよう働きかけを行うことです。認知症の人の場合、不安を感じたりデイに居場所がないと感じたりした時、また帰宅願望が現れた時などは自分の感情や気分をうまくコントロールできません。

感情や気分がうまくコントロールできないと、「落ち着かない」「落ち込んでいる」「異常にテンションが高い」などの様子が現れます。

こうした状態が続くことで周囲に影響を与えたり、本人に不利益(危険、うつなど)をもたらしたりする場合は、気分転換のケアを行います。

具体的には、認知症の方の求めていることを表情、しぐさ、会話などから探ります。

気分の変化に合わせて、場所を変える、スタッフを変える、使う道具を変えるなど、自然な流れで色々試してみます。

このように関心を違う方向へ向けることで本人の気分が変わることがあります。

その④ 個人ではないチーム支援で実践する

認知症ケアを行う場合には、個人で抱えるのではなく、他の専門職とチームで協力・分担・相談・情報交換することが望ましいです。

医師、看護師、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士など多職種で一人の方と関わることで、多角的にその方を見ることができ、様々な視点でのケアを実践することができます。

個人でケアを行っていると、どうして良いかわからず悩んでいたことも、チームでケアをすることによって、様々なアイディアが浮かび、解決策がみつかることも多いです。

自分自身の知識や専門的対応の可能性と限界を知っておき、自分自身の専門性や力量を超える対応が必要な場合には、それを補う適切な専門職と連携しましょう。

その⑤ 住環境を整える

日本の高齢化はどんどん進んでおり、その流れに比例して認知症発生率も高まっています。

一人暮らしの高齢者が多くなっているということは、認知症高齢者の一人暮らしも増えているということです。

一人暮らしの認知症高齢者が安全に暮らす為には、住環境を整える必要があります。

一般的に、注意力が落ちる認知症の人には複雑な構造の家は不向きです。

誰でもがわかりやすく、単純な構造で安全性の高い家が求められます。

生活導線も単純でわかりやすくすると良いです。

また室内の温熱環境やキッチン環境にも配慮が必要です。

ストーブは火事の原因となる場合もあるため、暖房器具はエアコンを使用するようにする、同じくエアコンを使用し熱中症を防ぐ、IH化をすることで火事を未然に防ぐなど、住まいとして安全性を確保できる工夫が重要です。

その⑥ 五感を刺激する支援を実践する

視覚や聴覚、味覚、臭覚、触覚など、五感を刺激することで、脳の機能が触発され、活性化します。

日頃のケアの中で五感を刺激する工夫をしていくと良いでしょう。

例えば、視覚刺激は、着替えや化粧などのおしゃれをすること、部屋に季節の花を生けたり、本人が描いた絵画を飾ること、散歩のときに花壇の花を愛でたりすることもおすすめです。

聴覚刺激は、常に音楽を流すことで気持ちを落ち着かせてくれます。

また認知症の人が口ずさむことのできる歌をいっしょに歌うこともよいでしょう。

音楽療法として積極的に取り入れている施設もあります。

味覚刺激は、認知症の人が子どものころから好んで食べていたものや好物をおやつや食事の献立に加えてみるとよいでしょう。

臭覚刺激は、マッサージのときや入浴のとき、またはリラックスしている部屋にアロマを焚くなど、ほんのりと薫るくらいの匂いを使って刺激すると良いです。

触覚刺激は、軽く全身をマッサージしたり、手のひら、足の裏などのツボを刺激するなど、スキンシップを通した刺激がおすすめです。

また、散歩の際に植物を触ったり、アニマルセラピーなどで、動物に触れることも良い刺激になります。

その⑦ 家族への配慮も忘れない

認知症のケアを行うことは知識を持った専門職でも大変なものです。それが毎日関わる家族にしたら、その苦労やストレスは大変なものです。

家族は認知症の行動に困り果てて声を荒げてしまったり、認知症の現実を受け入れきれず厳しく接してしまうことは多いです。

しかし、このような対応により認知症の方が不快な気持ちになると、家族を信用できなくなったり、認知症の症状が悪化することもあります。

家族の方へは、間違った対応をしないよう、正しい対応の仕方を伝えていく必要があります。

また、家族が介護の悩みやストレスを抱えていないか、親身に話を聞くことも重要です。

その⑧ 身体拘束・虐待・自己決定など尊厳ある生活を支援する

つい30年~40年前までは、認知症についての知識も社会全体に乏しく、一部では認知症の方を非人間的に扱っていた時代がありました。

しかし、現在ではたとえ認知症になっても、適切な援助を受けながら社会生活を継続して送る権利が保障されています。

認知症ケアの介護目標の立案について

認知症ケアの介護目標の立案について
ひとことで認知症と言っても、症状は人によって様々で個人差も大きいため、認知症ケアの目標は一人一人違ってきます。

全般的な認知症ケアの介護目標について、どのように立案すると良いのかポイントをまとめます。

その① チームで支援する目標を設定する

施設によっては入居者に担当の介護士が振り分けられ、その担当者が中心となって介護手段や評価を行うことがあります。

しかし、介護目標を一人で考えることは視野を狭くしてしまう可能性があり、個人の精神的な負担にもなりかねません。

チームとして、認知症ケアの目標を考えることが必要です。

その② 中核症状に視点を置いて目標を設定する

認知症の方の症状は、中核症状と周辺症状に分けられます。認知症と言っても、人それぞれ認知症のレベルや周辺症状は様々ですが、「中核症状」においては、認知症の方ならほとんどの方に現れると言われています。

この中核症状に視点を置き、認知症ケアの目標を設定すると良いでしょう。

安全・安心を確保する、その人らしさを大切にする、現在持っている能力(身体面・精神面)を生かす、健康状態の管理を行う、支援体制を整える、などを目標とし、行動・評価することが大切です。

その③ それぞれに合った個別の目標であることを意識する

大きな目標の中にその人に合った個別の小さな目標を設定して行くことが必要です。

更に、個別の小さな目標に対して実行する手段を考え、実践・評価し、その繰り返しによって更に良いものが見えて来ると思います。

そのためには、チーム一人一人の考えや経験・知識は大変重要です。

経験者の体験談や介護技術を最大限に生かしてよりよい認知症ケアの目標に繋げ、認知症の方が穏やかな日常生活を送れることが最も大切なことと言えるでしょう。

まとめ

まとめ
この記事では認知症ケアの基本と、介護目標の立案について詳しく解説しました。以下にこの記事の内容についてまとめます。

  • 認知症ケアの基本については①基本的な関わり方、②興味のあることや趣味を活かす、③気分転換のケアを意識する、④チーム支援で実践する、⑤住環境を整える、⑥五感を刺激する支援を実践する、⑦家族への配慮を行う、⑧尊厳ある生活を支援する、ということが重要です。
  • 認知症ケアの介護目標の立案については、①チームで支援する目標を設定する、②中核症状に視点を置いて目標を設定する、③それぞれに合った個別の目標であることを意識する、ということが大切です。

認知症の方の症状は人によって様々であり、認知症ケアの基本を押さえていても、実践では教科書通りには行かず、基本がうまく活かせないことも多くあります。

そのような場合は経験の豊富な先輩の介護士の方や他職種の方などに相談し、多角的な意見を取り入れると良いでしょう。

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