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『40代で介護離職!?』介護問題は深刻な社会問題に!

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『40代で介護離職!?』介護問題は深刻な社会問題に!

介護をしている方とそうでない方の割合は、40代を境に大きく変化します。

働き盛りである40代の方の中には、親に介護が必要になった場合、介護離職をしなければならないのかと、頭を悩ませている方もいることでしょう。

今回は介護をめぐる現状や、介護離職をすることによるメリット・デメリット、介護離職をした結果、どのような生活が予想されるかなどに関して解説していきます。

介護離職について興味がある方や、介護離職を検討している方はご参考になさってください。

平成29年に介護離職をした人数は9万9千人

平成29年に介護離職をした人数は9万9千人

まずは私たちを取り巻く、介護離職の現状を確認するところからはじめましょう。

総務省統計局が発表した「平成29年就業構造基本調査 結果の概況」から、介護離職をめぐる現状が見て取れます。

【参考サイト:総務省統計局 平成29年就業構造基本調査 結果の概況、P6】
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/pdf/kgaiyou.pdf

平成28年10月から平成29年9月までの1年間で、介護や看護のために離職した方は約9万9千人です。

同期間中に離職した人に占める、介護・看護で離職した方の割合は、1.8%となっています。

介護や看護を理由に離職した方の男女の内訳は、男性が約2万4千人、女性が約7万5千人です。

この結果から介護・看護を理由に退職した人のうち、女性の割合が多いことが確認できます。

また約9万9千人の離職者のうち、就業構造基本調査を行った時点での有職者は、約2万4千人です。

対して無職者が7万5千人ですので、介護離職をしたのち、新たに職業へ就いている方の割合が少ないことが、おわかりいただけます。

過去のデータである平成24年と比較すると、前職を離職した人はほぼ横ばいであるものの、有職者が約7千人増加、無職者は9千人の減少となっています。

これらの調査結果から介護離職をした人の中で、性別では女性、介護離職をしたのちの就労については、職業へ就いていない人の割合が多いことが確認できました。

次の項目では介護者の年齢にスポットをあてて、40代から介護をする人が増加する理由について解説していきます。

40代から介護をする人が増加する理由

40代から介護をする人が増加する理由

介護をしている人(介護者)の人数は、30代以下と40代以上では大きな差が存在します。

これは有職者・無職者ともに、同じ傾向にあります。

30代以下の介護をしている者の人数が、約54万人であったのに対し、介護をしている40代の人数は、約90万人となっています。

介護をする人の年齢が上がるとともに、介護をしている人数も増加し、55歳から59歳の方が最も多く、約104万人です。

30代以下と、55歳から59歳を比較すると、介護をしている人の人数が約2倍であることが、この調査結果から確認できます。

【参考サイト:総務省統計局 平成29年就業構造基本調査 結果の概況、P5】
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/pdf/kgaiyou.pdf

なぜここまで、年齢によって介護をする人の人数に大きな差が生じるかというと、70歳を超えると介護が必要になるケースが多くみられるからです。

厚生労働省が発表した「2019年 国民生活基本調査の概況」の介護の状況からも、そのことが確認できます。

【年齢別 要介護者の割合】

gg0737 表①

【参考サイト:厚生労働省 2019年 国民生活基本調査、介護の状況 P26】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html

また主な介護者の割合は配偶者が最多であり、全体の約24%を占めます。

次いで子、別居の家族が介護者の割合を多く締め、前者が約21%、後者が約14%となっています。

【参考サイト:厚生労働省 2019年 国民生活基本調査、介護の状況 P25】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html

さらに厚生労働省より、1950年代生まれ(2020年現在で70代の方)の出産年齢は、25歳から29歳が最も多くの割合を占めていることが示されています。

【参考サイト:厚生労働省 平成16年版 少子化社会白書 P10、女子(母親)の年齢化級別出生率】
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2004/pdf_h/pdf/g1010300.pdf#search='1950%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C+%E5%87%BA%E7%94%A3%E5%B9%B4%E9%BD%A2'

以上のことから、次のようなことが推測できます。

介護を必要とする人は70歳を過ぎると急激に増加し、その介護者の約4割を占める子または配偶者は、40歳以上であるということです。

介護者が要介護者の子どもであれば、2020年現在70歳代の出生年齢から逆算し、40歳以上(1970年代生まれ)であるし、配偶者であれば要介護者と同年代と予想されます。

以上が40代から介護をする人が増加する理由です。

次の項目では、介護離職の具体的なメリット・デメリットについて解説していきます。

介護離職のメリット&デメリット

介護離職のメリット&デメリット

介護離職をする前に、そのメリット・デメリットを確認しておくことは、後悔のない介護を行う上で必要不可欠です。

介護離職をしたものの、想像していた生活と違ったということがないよう、メリット・デメリットを確認していきましょう。

その① メリット

介護離職のメリットは以下の通りです。

【介護離職のメリット】

  • 家族の介護に充てる時間を確保できる
  • 介護と就労を同時に行うことによる心身の負担軽減が期待できる
  • 介護サービスを利用することによって、サポートしていた介護を自分で行うことにより、介護費用の軽減が行える

時間を確保できるほかにも、心身や金銭的な負担軽減が介護離職のメリットです。

その② デメリット

介護離職のデメリットは、以下の通りです。

【介護離職のデメリット】

  • 収入が減少する
  • 仕事をすることによって得られていた、やりがいや達成感がなくなってしまう
  • 介護に充てる時間と、自分の時間とのバランスが崩れた場合、心身の負担が増加する可能性がある

就労以外にも収入がある方は例外となりますが、収入の減少、仕事へのやりがい・達成感がなくなってしまうことが、介護離職のデメリットとして挙げられます。

また介護に費やせる時間が増加するということは、裏を返せば、いつでも介護を行えるということにつながります。

就労することによって切り離されていた、介護と常に向き合うことになり、介護と自分の時間に折り合いをつける必要にせまられるでしょう。

以上が介護離職のメリット・デメリットについてです。

次の項目では介護離職のメリット・デメリットを踏まえた上で、介護離職をしたのに負担が増加してしまうケースに関して、ご紹介していきます。

介護離職したのに負担が増加する場合も

介護離職したのに負担が増加する場合も

介護離職をしたのに心身の負担が増加する場合も存在します。

前項目のデメリットで解説したように介護離職をした後、収入が減少した結果、金銭的な悩みの発生や、経済的な理由から満足な介護サービスを利用できないことが予想されます。

また毎日家族の介護に向き合うこととなり、心が休まる機会が少なくなってしまうかもしれません。

このようなことがないように介護離職をする前に、ケアマネージャーや関わり合いのある介護スタッフに、今後の介護について相談するとよいでしょう。

介護離職をしない・させない方法

介護離職をしない・させない方法

さいごに介護離職をしない・させない方法に関して、解説していきます。

まずは介護が他人事ではなく、自分がいつ関わり合いになるかわからないということを、意識しておくことです。

親や兄弟姉妹、親族が健康であったとしても、ある日突然、その家族が要介護者となるかもしれません。

そのようなケースでは、情報不足や家族との意識共有不足で、介護離職を選択せざるを得なくなってしまいます。

介護への意識を変えるとともに、介護に関する情報収集を日頃から行っておくのも、介護離職をしない・させない方法の1つです。

公的な介護保険制度や介護サービス、介護施設に関する情報を知っているだけで、介護離職とは違った選択を取ることができます。

また一人で介護に関する悩みを抱え込むのではなく、兄弟姉妹や配偶者、親族などと話し合いの場を設けるとよいでしょう。

介護を行うにあたり、どのような役割分担をしていくか、介護サービスを利用するにあたり金銭的な負担はどうするかなど、前もって相談しておくことをおすすめします。

介護に手がいっぱいになってしまい、仕事どころではなくなる前に、余裕があるときに話し合いをしておくのが重要なポイントです。

まとめ

まとめ

介護離職をした人数や、40代から介護をする人が増加する理由、介護離職のメリット・デメリットなどを解説してきました。

介護離職に関して、理解が深められたのではないでしょうか。

介護問題は深刻な社会問題にをまとめると

  • 平成29年では約9万9千人が介護離職をしており、調査時点で有職者であるのは約2万4千人である。また40代を境に介護をしている人の数が、大幅に増加する。
  • 介護離職にはメリット・デメリットがあり、介護離職をしたからといって、必ず心身の負担が軽減するわけではない。
  • 介護離職をしない・させないためには、家族に介護が必要になるかもしれないと意識し、介護に関する情報収集を行っておく。また事前に介護に関する話し合いを、家族を行うようにする

ということがあります。

介護離職は介護に対する一つの手段であり、介護離職をしたからといって、心身の負担が軽減されるわけではない点を、胸に留めておかなければなりません。

介護が必要になったときに取れる選択肢を広げられるよう、介護に関する情報を積極的に収集しましょう。

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