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お金に関する介護問題まとめ|老後破産は大丈夫か?

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お金に関する介護問題まとめ|老後破産は大丈夫か?

公的年金への不安や平均余命の増加、要介護状態になるリスクなどから、老後のお金に関して頭を悩ませている方はいるでしょう。

もし老後破産になってしまったら、元の生活へと立て直すのは困難が予想されます。

今回は老後にスポットをあてて、介護サービスの利用料金や老後破産について解説していきます。

老後のお金に関して興味がある方は、ご参考になさってください。

老後に必要なお金について

老後に必要なお金について

はじめに老後に必要なお金が、どのくらいなのか確認していきましょう。

その① 老後資金で準備したい目安

老後資金として準備したい目安は、約1,148万円です。

この金額がどのようにして算出されたのか、解説していきます。

2019年の家計調査年報により、高齢夫婦無職世帯の家計支出において、毎月約3.3万円が不足金額として計上されています。

また2019年の厚生労働省の令和元年簡易生命表の概況から、65歳男性の平均余命が19.83歳、女性が29.17歳であることが確認できます。

【参考サイト:総務省統計局 家計調査年報(家計収支編) 2019年、P18】
https://www.stat.go.jp/data/kakei/2019np/gaikyo/pdf/gk02.pdf

ここでの高齢夫婦無職世帯とは、夫の年齢が65歳以上、妻の年齢が60歳以上の無職世帯を指します。

【参考サイト:厚生労働省 令和元年 簡易生命表の概況、1主な年齢の平均余命】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-02.pdf

これらのことから老後に必要な金額を、以下のように算出することが可能です。

【老後に必要なお金の算出方法】

3.3万円(高齢無職世帯の不足月額)×12ヶ月×29年(60歳女性の平均余命)=1,148.4万円

上記の算出式にて、なぜ女性の平均余命を採用したかというと、男性よりも女性の寿命が長い分、妻の方が老後に必要となるお金が多くなると予想されるためです。

老後に必要なお金を多く想定しておくことにより、年を重ねてからお金が無くなってしまう可能性が少なくなります。

老後に必要な金額については以上です。

次の項目では老後の支出に関して、夫婦二人の場合と単身世帯のケースにわけて、ご紹介していきます。

その② 夫婦二人の場合の支出

まずは夫婦二人の場合の支出についてです。

総務省統計局の家計調査報告より、夫婦の場合は月の支出は約24万円になると発表されました。

支出の内訳は以下の通りとなっています。

【2019年 高齢夫婦無職世帯の支出】

gg0738 表①

【参考サイト:総務省統計局 家計調査年報(家計収支編) 2019年、P19】
https://www.stat.go.jp/data/kakei/2019np/gaikyo/pdf/gk02.pdf

上表の割合ですが、計算結果を四捨五入して算出しているため、すべての項目の割合を合計しても、100にはならないことを付け加えておきます。

老後の支出で注意しなければならないのが、持ち家・賃貸いずれかの場合でも、厚生労働省が発表した金額以外にも、さらに支出が発生すると予想されることです。

持ち家の場合であれば、高齢化に伴うバリアフリー化や、住宅が老朽化したことによるリフォームなどで、約300万円の支出が発生する可能性があります。

【持ち家の方が追加で発生する支出】

住宅のリフォーム代:約300万円

なお持ち家の方は住宅ローンや固定資産税等を、支払い済みであると仮定してあります。

それに対して賃貸であれば、持ち家のケースと比較して、多くのお金が必要になります。

居住している住宅の家賃により、老後に発生が予想される追加支出が大いに変化しますので、実際にいくらくらいお金が必要になるか試算してみるのもよいでしょう。

夫婦で住むことを想定し、家賃が9万円/月の場合、追加で発生する費用は以下の通りです。

【賃貸の方が追加で発生する支出】

家賃:約2,371万円

(9万円-13,625円)※×12カ月×29年(60歳女性の平均余命)=約2,371万円

※総務省統計局が発表した1カ月の支出に、住宅費として計上されている金額を差し引いてある

賃貸の方は持ち家の方と比較し、多くの支出が発生する可能性がありますが、住宅ローンや固定資産税の支払いは行っていないと予想されます。

現役世代の方は現在の家計を加味し長期的な視点で、老後の準備を行う必要があることを胸に留めておきましょう。

その③ 単身世帯の場合の支出

つづいて単身世帯の場合の支出についてです。

単身世帯の場合、1カ月の支出は約14万円であると、総務省統計局によって示されました。

支出の内訳は次の通りです。

【2019年 高齢単身無職世帯の支出】

gg0738 表

【参考サイト:総務省統計局 家計調査年報(家計収支編) 2019年、P19】
https://www.stat.go.jp/data/kakei/2019np/gaikyo/pdf/gk02.pdf

上表の割合ですが、計算結果を四捨五入して算出しているため、すべての項目の割合を合計しても100にはなりません。

上記の支出以外にも、前項目で紹介した夫婦二人のケースと同じように、持ち家・賃貸のいずれにおいても、追加の支出が予想されます。

持ち家の場合は、単身世帯でもバリアフリー化やリフォームを行う必要があり、その支出は約300万円であると考えられます。

【持ち家の方が追加で発生する支出】

住宅のリフォーム代:約300万円

賃貸の方は1人暮らしですので、家賃を7万円と想定します。

賃貸の方が、追加で発生する支出は以下の通りです。

【賃貸の方が追加で発生する支出】

家賃:約1,984円

(7万円-12,916円)※×12ヶ月×29年(60歳女性の平均余命)=約1,984円
※※総務省統計局が発表した1カ月の支出に、住宅費として計上されている金額を差し引いてある

以上が老後に必要なお金についてです。

次の項目では年金だけで、介護が受けられるかに関して解説していきます。

年金だけで介護を受けることができるのか?

年金だけで介護を受けることができるのか?

今現在介護を受ける予定がない方であっても、将来介護が必要になるかもしれません。

介護が必要になった場合、どのくらいお金が必要になるかは、事前に確認しておきたいところです。

今回は在宅介護と施設介護を想定し、年金だけで介護が受けられるかを確認していきましょう。

その① 在宅介護の場合

在宅介護の場合、年金だけでは介護を受けることが難しいです。

在宅介護は介護サービスや利用頻度によって、発生する料金が変化する特徴があります。

そのため今回は、以下のモデルケースにおいて、年金だけで介護が受けられるかどうか確認します。

【在宅介護モデルケース:要介護3 1割負担】

利用サービス:デイサービス 週3回(月12回)、訪問介護 週4回(月16回)
利用料金:22,928円
計算方法:1,384円(昼食代を含む)×12回+395円×16回16608=22,928円
※参考サイトもとに筆者が利用料金を試算。

【参考サイト:北海道伊達市 介護サービスの種類と利用料金の目安】

https://www.city.date.hokkaido.jp/hotnews/detail/00000959.html
利用する事業所や地域によって、上記の各介護サービスの料金が変化することがあります。

具体的な利用料金が気になる方は、利用予定の事業所やケアマネージャーに確認するとよいでしょう。

このモデルケースでは、介護サービスを利用するには1か月間で、約2万3千円が必要になります。

さて、前の項目で紹介した高齢無職世帯の支出における保険医療費では、夫婦世帯で15,759円、単身世帯で8,445円と計上されていました。

【参考サイト:総務省統計局 家計調査年報(家計収支編) 2019年、P19】

https://www.stat.go.jp/data/kakei/2019np/gaikyo/pdf/gk02.pdf

夫婦世帯、単身世帯ともに、保健医療費が利用料金の約2万3千円に満たず、年金だけでは在宅介護を受けられません。

その② 施設介護の場合

施設介護の場合、施設によっては厚生年金が支給される方であっても、介護を受けることが難しいです。

国民年金が支給される方は、施設介護を受けるのが難しいと考えて問題ないでしょう。

入所する施設にもよりますが、1カ月間の利用料金は平均10万円~15万円です。

それに対し、国民年金の平均月額は約5万5千円、厚生年金の平均月額は約14万円となっています。

【参考サイト:厚生労働省 平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 P9・20】
https://www.mhlw.go.jp/content/000578278.pdf

施設介護の場合、日常生活を送る上で必要となるお金は、ほぼ利用料金に含まれるため、年金の大半を介護施設の料金へと費やせます。

しかし年金支給額よりも利用料金の方が多いことから、利用する施設によっては、厚生年金の方でも施設介護が難しいでしょう。

なお施設サービスの利用料金の負担が大きい方は、介護保険負担限度額を利用すれば、施設介護を利用したときの、食費と居住費を抑えられる可能性があります。

介護施設の利用を検討するようになったら担当ケアマネージャーへ、介護保険負担限度額について確認してみるとよいでしょう。

老後破産とは

老後破産とは

さいごに年を取ってから生活に必要なお金がなくなってしまう、老後破産に関して解説してきます。

老後破産の原因と対策を確認し、お金がなくなり生活が困難にならないよう、現役世代から老後に備えましょう。

その① 老後破産の原因

老後破産の原因は金銭感覚が現役世代と変化せず、収入より支出が上回ってしまうことです。

現役世代と比較し、老後の収入は減少する傾向にあります。

それに対して医療費や介護費用など、心身の悪化に伴う支出が増加する可能性があります。

加えて住宅ローンを30代後半以降に組んだ方であれば、65歳の定年を迎えたあとでも、ローンの支払いが残されている可能性があります。

こういった家計では、金銭感覚が仕事に就いていたときのままである場合、収入より支出が多くなり、老後破産の原因となってしまうのです。

その② 老後破産の対策

老後破産の対策は、収入と支出のバランスを見直すことです。

どれだけ収入があったとしても、支出がそれに増さっていた場合、老後破産のリスクが高まります。

可能であれば定年退職後も再就職し、収入を増やすことを検討するのも選択肢の1つです。

また退職金の使い道をあらかじめ考えておくことや、現役世代のうちから、資産運用や確定拠出年金、小規模企業共済を活用することも、老後破産の対策として挙げられます。

まとめ

まとめ

老後に必要なお金や、年金だけで介護が受けられるか、老後破産に関して解説してきました。

年を取ってからどのぐらいお金が必要になるか、理解が深められたのではないでしょうか。

お金に関する介護問題をまとめると

  • 老後期間が27年だと仮定すると、リタイアに向けて準備したい金額の目安は、約1,148万円である。
  • 在宅介護・施設介護ともに、基本的に年金だけで介護を受けるのは難しい。施設選びや介護保険制度の活用を効果的に行えば、年金だけでも介護を受けられるケースがある。
  • 収入と支出のバランスを定期的に見直すことにより、老後破産のリスクを下げることができる

ということがあります。

現役のうちから将来の家計をどのようにしていくか考えておくことが、老後破産に陥らないための重要なポイントです。

お金がなくなってしまい老後生活が困窮しないよう、収入と支出のバランスを適切な状態にするよう心掛けましょう。

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