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少子高齢が影響を与える介護問題とは?虐待・介護離職・空き家問題

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少子高齢が影響を与える介護問題とは?虐待・介護離職・空き家問題

日本において少子高齢化が進行して久しく、様々な問題が表面化しています。

介護難民や介護離職、老老介護・認認介護などが、少子高齢化を原因とした問題として挙げられます。

今回は介護問題の原因や、私たちの生活に影響がある具体的な介護問題に関して、解説していきます。

介護問題について興味がある方は、ご参考になさってください。

我が国が避けては通れない介護問題

我が国が避けては通れない介護問題

我が国が避けては通れない介護問題は、様々な要因が重なり起きています。

はじめにどうして介護問題が起きるようになったのか、確認するところから始めましょう。

その① 数々の介護問題の原因

介護問題の原因は3つに大きくわけることができます。

1つ目は平均寿命と健康寿命の差が減少しないことです。

健康寿命とは介護を必要とせず、日常生活が送れる年齢を指します。

平均寿命は亡くなるまでの平均的な年齢ですので、毎日の生活を健康に送れる年齢から、亡くなるまでの年齢を差し引けば、要介護期間を導き出すことが可能です。

この要介護期間を縮めないことには、介護に関する負担を少なくすることは困難となっています。

次の表は平均寿命と健康寿命の差を表しています。

【平均寿命と健康寿命の差】

gg0741 表①

【参考サイト:内閣府 平成30年版高齢社会白書(概要)、2健康・福祉】
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/html/gaiyou/s1_2_2.html

上の表から2001年から2016年にかけて、男性の平均寿命は約2.9年、女性は約2.2年延びていますが、要介護期間の変動はほぼありません。

このことから平均寿命と健康寿命の差という観点から、2000年以降介護負担が減少していないことが確認できます。

介護問題の原因の2つ目は、核家族化の進行です。

戦前より日本での介護は主に家族が担ってきました。

1963年に制定された老人福祉法や、2000年に施行された介護保険法の登場により、家族に依存した介護の在り方は変わりつつあります。

しかし依然として、介護を行う上での家族のサポートは必要不可欠です。

一方で核家族化の進行により子どもが独立し、家族で介護を担うのが難しくなっています。

核家族化の進行は介護問題である、老老介護や認認介護の原因であると考えられています。

介護問題の原因の3つ目が少子高齢化です。

少子化により労働人口が減少することにより、生産性が低下し経済が停滞してしまいます。

さらに高齢化が進行することにより、社会保障費が増大してしまい、現役世代の負担がより大きくなってしまいます。

このまま社会保障費が増大していけば、いずれは医療や介護の公的サービスに、何らかの影響があるのではないかと懸念されています。

以上が、介護問題の原因についてとなります。

平均寿命と健康寿命の差や、核家族化・少子化の進行が、介護問題の原因であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

次の項目では先ほど取り上げた、社会保障費について解説してきますので、そちらを参考になさってください。

社会保障財源の問題は大丈夫か?

社会保障財源の問題は大丈夫か?

社会保障財源は増加していく傾向にあります。

2018年に約121兆円だった社会保障費は、2025年には約140兆円への増加が予想されています。

さらに2040年には社会保障費が、188~190兆円になるのではないかと考えられているのです。

【参考サイト:財務省 日本の財政関係資料、P32】
https://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/201910_00.pdf

2025年には団塊の世代が75歳以上になり、2012年から2025年までで75歳以上の方が700万人増加すると見込まれています。

その場限りでなく、持続可能な社会保障制度の確立が急がれています。

国民に影響を与える介護問題

国民に影響を与える介護問題

さいごに私たち国民に影響を与える介護問題には、どのようなものがあるかについて解説してきます。

介護問題に関して理解を深め、介護に関して頭を悩ますことがあっても、慌てず必要な対応を行いたいところです。

その① 介護難民

1つ目が介護難民です。

介護難民とは、必要な介護を受けることができない人を指します。

全国で発生しているわけでなく、東京近辺の一都三県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に発生していると考えられています。

東京近辺にて介護難民が発生している主な理由は、都心部への人口流入です。

特に2025年以降は後期高齢者の人口が増加し、介護難民が発生すると予想されています。

これは高度成長期(1955年~1973年)に東京近郊へ流入した人たちが、75歳以上になるためです。

【参考サイト:首相官邸 東京圏高齢化危機回避戦略 P2】
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/ccrc/h27-07-03-siryou1-2.pdf

東京では介護用地の確保が難しく、近隣県に介護施設が建設されましたが、それでも高齢者の人口増加に間に合っていない状態です。

介護難民の発生が予想される地域に住まわれている方は、日頃からの運動や認知症対策教室への参加などの、介護予防を積極的に行いたいところです。

どうしても早急に介護施設の利用が必要であれば、地方都市への移住も検討しなければならないでしょう。

一都三県への人口流入の結果として、地方部では介護難民が起きにくいため、地方都市へ移住すれば、介護難民に関する問題の解決につながる可能性があります。

その② 介護離職

2つ目が介護離職です。

介護を理由に仕事を辞めることを介護離職と呼びます。

介護と仕事の両立が困難であり、介護離職を選択する方が見られます。

しかし介護離職をしたからと言って、介護に関する負担が軽減されるわけではないことを胸に留めておかなければなりません。

介護離職を行えば、介護に充てる時間の確保や、仕事と介護を並行して行うことにより発生する、心身の負担の軽減が期待できます。

一方で収入の減少や、常に介護を行わなければならないストレスに、頭を悩ませるかもしれません。

介護離職を決断する前に、介護サービスの活用や兄弟姉妹・子ども、親族の協力を得て、働きながら介護を続けられないか、検討することを強くおすすめします。

また介護と仕事の両立をサポートする制度に、介護休暇や介護休業が挙げられますので、これらの制度を活用したいところです。

その③ 介護人材不足

3つ目が介護人材不足です。

2025年までに約245万人の介護人材が必要であると、厚生労働省より示されました。

対して2016年時点での介護従事者は、約180万人となっています。

【参考サイト:厚生労働省 第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について】
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12004000-Shakaiengokyoku-Shakai-Fukushikibanka/0000207318.pdf

厚生労働省では介護人材を確保するために、様々な取り組みを行っています。

介護職員の処遇改善や、介護福祉士を目指す学生への奨励金制度、介護ロボット・ICT(情報通信技術)の活用推進などです。

【参考サイト:厚生労働省 介護人材確保対策 P9】
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000175117.pdf

その④ 老老介護・認認介護

4つ目が老老介護・認認介護です。

老老介護は介護者・要介護者がともに、65歳以上の高齢者である場合を指します。

また認認介護は介護者・要介護者ともに、認知症を患っている高齢者であるケースを言い表した言葉です。

老老介護・認認介護には、介護者と要介護者の共倒れのリスクがあり、適切な介護サービスが受けられなくなってしまう可能性があります。

老老介護や認認介護になる前に、地域包括支援センターや民生委員に介護について、相談するとよいでしょう。

もし遠方に兄弟姉妹や子供、親族が居住しているのであれば、日常生活で困っていることを話し合うとともに、遠距離介護を検討するのも選択肢の1つです。

その⑤ 高齢者虐待

5つ目が高齢者虐待です。

家族や親族だけでなく、介護従事者による高齢者虐待も確認されています。

高齢者虐待では、加害者にその意識がなく、知らぬ間に虐待に至ってしまうケースがあります。

脱水症状の兆候が見られるにも関わらず、失禁すると困るので水分を控えるケースや、夜間徘徊しないように、ベッドの周りを策で覆ってしまうなどです。

また介護従事者による虐待は、施設の教育不足や人材不足、無理な職場環境を原因として挙げられます。

いずれにしろ高齢者虐待が疑われる場合には、地域包括支援センターや市区町村の介護保険担当課へ相談しましょう。

その⑥ 空き家の増加

6つ目が空き家の増加です。

2018年時点での空き家の数は約760万戸であり、これは全体の約13%を占めています。

そして空き家の数は、年々増加傾向にあります。

【参考サイト:総務省統計局 共同住宅の空き家 約460万戸について分析】
https://www.stat.go.jp/info/today/072.html

空き家が増加傾向にあるのは、少子高齢化や人口移動の変化が理由と考えられています。

空き家が増加すると街の景観を崩すだけでなく、不法占拠や不法侵入のリスクが高まります。

また放火の可能性が増し、治安悪化が懸念されます。

空き家に関して思い当たることがある方は、当該物件の管理を定期的に行いたいところです。

まとめ

まとめ

介護問題の原因や社会保障財源の問題、私たちの生活に影響が予想される具体的な介護問題に関して解説してきました。

介護問題について、理解を深められたのではないでしょうか。

少子高齢が影響を与える介護問題をまとめると

  • 平均寿命と健康寿命の差が縮まらないことや、核家族化、少子高齢化が、介護問題の原因であると考えられる
  • 今後ますます社会保障財源の増加が懸念されており、その場限りではなく、持続可能な社会保障の確立が望まれる
  • 介護難民や介護離職、介護人材不足などの介護問題が、私たちの生活に影響を与える可能性がある

ということがある。

少子高齢が影響を与える介護問題は、私たちの生活に少なからず関係があることです。

もし今回紹介した介護問題に直面したときには、家族・親族と協力し社会資源を活用しながら、問題解決に取り組みましょう。

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