介護サービスを利用する上で、介護支援専門員(ケアマネージャー)との付き合いは、避けて通ることはできません。
介護支援専門員と上手に付き合えれば、利用者の状態や希望に即した、介護サービスを選択することが可能になり、介護の質の向上が期待できます。
今回は良い介護支援専門員を選ぶための、5つのポイントについて解説していきます。
ケアマネージャーとの付き合い方に関して、理解を深めたい方はご参考になさってください。
そもそも介護支援専門員(ケアマネジャー)って何をする人?
はじめに介護支援専門員(ケアマネージャー)がどのような仕事をする人なのか、解説していきます。
介護支援専門員は、介護サービスを利用する上で必要不可欠である、サービス計画書(ケアプラン)の作成を行います。
ケアプランの作成以外に、介護サービス事業所間の連絡調整や、利用者・家族からの相談受付も、介護支援専門員の業務です。
介護支援専門員の受験資格を得るには、介護福祉士や社会福祉士、看護師・保健師などの資格を有し、5年以上かつ900日以上の実務経験が必要になります。
上記の資格所有者以外にも、介護老人福祉施設や特定施設入居者生活介護などで、生活相談員として従事しているケースでも、ケアマネージャーの受験資格が認められます。
所定の国家資格所有者の場合と同様に、生活相談員として5年以上かつ900日以上の勤務経験が求められます。
ケアマネージャーは居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、特別養護老人ホームなどの介護施設で活躍しています。
良い介護支援専門員を選ぶポイント
それではよい介護支援専門員を選ぶポイントをご紹介していきます。
今回紹介する5つのポイントを参考にし、長い間お付き合いできるケアマネージャーを選ぶようにしたいところです。
その① 【ポイント1】人間性
1つ目が人間性です。
人間性は人格や人柄と、言い換えることが出来ます。
介護支援専門員の資格を有していたとしても、すべてのケアマネージャーが優れた人間性を有しているとは限りません。
マナーや約束をきちんと守れているか、言葉遣いに問題はないか、そして態度に違和感を覚えないかなどをチェックするとよいでしょう。
こと介護という分野は、人と人との深いつながりが要求される場面があります。
またときには人の生き死に関することも、介護を行う上で避けては通れません。
人間性が優れており、親身に対応してくれ
るケアマネージャーは、いざという時に頼りになる存在となってくれます。
すべてに完璧なケアマネージャーを選ぶべきというわけではありません。
人柄や人格に疑問を感じたときには、ケアマネージャーを変更するのも、選択肢の一つであるということを胸に留めておきましょう。
その② 【ポイント2】情報量の豊富さ
2つ目のポイントが情報量の豊富さです。
介護保険制度は定期的に法改正があり、また地域の事業所の状況も日々変化しています。
ケアマネージャーが有する情報量の多さは、行える介護の選択肢につながります。
介護支援専門員が有する介護についての知識だけでなく、介護保険制度や地域の介護情勢に関する情報量についても、チェックすることをおすすめします。
その③ 【ポイント3】知識の豊富さ
3つ目は知識の豊富さです。
介護保険サービスを理解するには、専門知識が必要になります。
専門知識が必要になる一例に、複数の介護保険サービスの利用が挙げられます。
なぜかと言うと介護保険制度の関係上、併用しての利用が難しい介護保険サービスが存在するためです。
介護サービスを利用する上でわからないことがあれば、必ず聞くようにし、すぐさま返答があるか、返答がない場合はどのような対応になるかを確認するとよいでしょう。
わからないことを聞いてみたものの、ケアマネージャーからの返答がない場合や、答えを保留にしたまま時間が経過したときには注意が必要です。
その④ 【ポイント4】フットワークは軽いか
4つ目がフットワークは軽いかです。
フットワークの軽さは、対応の速さという言葉に置き替えることが可能です。
利用者の心身状態によって、速やかな対応が求められることがあります。
また身内の不幸や急用から家族が不在になり、自宅で利用者一人のみとなってしまう場合では、限られた時間内で家族が不在時の介護方針を決めなければなりません。
介護支援専門員のフットワークが軽ければ、急を要する事態に直面したとしても、スムーズに必要な対応が行えます。
その⑤ 【ポイント5】相性はどうか
最後のポイントが相性はどうかです。
介護支援専門員とて人間ですので、利用者・家族との相性問題が存在します。
前項目で紹介した人間性が極めて優れていたとしても、相性問題からケアマネージャーを変更したほうがよいケースがあります。
相性がマッチしていないと、ケアマネージャーへの不信感へとつながる可能性があります。
相性がよくないと感じたときには、他の事業所のケアマネージャーにお願いするのも選択肢の1つです。
介護支援専門員と上手にお付き合いをする方法
さいごに介護支援専門員と、上手にお付き合いする方法を3つご紹介していきます。
その① なんでも話せる関係になるように心がける
1つ目が、なんでも話せる関係になるように心がけることです。
ケアマネージャーに遠慮してしまい、介護保険サービスに関する要望や、介護サービス事業者への希望を言い出せないケースがあります。
不満を抱えたまま、もしくは要望を伝えられずに介護保険サービスが提供し続けられれば、利用者・家族のサービスに対する満足度は、高い水準にはならないでしょう。
なおなんでも話せる関係と言えど、ケアマネージャーの人格を否定する言葉を投げかけることや、侮辱することは厳禁です。
その② 温かい言葉を掛けることも大切
2つ目が温かい言葉を掛けることも大切であることです。
約束した時間外などに対応をお願いした場合、ケアマネージャーは予定されていた業務を変更した上で、対応に当たったかもしれません。
また介護支援専門員にも自分の家庭やプライベートがあり、それらを引き換えに必要な手続きを行ったことも考えられます。
緊急の用件で対応をお願いしたケースはもちろんのこと、日頃から感謝の声掛けや温かい言葉を伝えるようにしましょう。
サービス提供者と利用者・家族という関係だけでなく、人間同士の関わり合いであるということを、頭の片隅に置いておくことを強くおすすめします。
その③ 分からないことはどんどん聞く
3つ目がわからないことは、どんどん聞くことです。
ケアマネージャーは専門知識を有している状態で業務に当たるため、家族や利用者本人が介護に関することを、理解しているという前提のもとに、説明を行うケースがあります。
介護についての専門用語やサービス内容、費用についてわからないことがあれば、積極的に質問することをおすすめします。
積極的な質問は、1つめのなんでも話せる関係の構築にも役立つことでしょう。
まとめ
ケアマネージャーが何をする人なのかや、介護支援専門員を選ぶときのポイント、ケアマネージャーと上手に付き合う方法を解説してきました。
ケアマネージャーとの付き合い方について、理解を深められたのではないでしょうか。
良い介護支援専門員を選ぶ5つのポイントをまとめると
- 介護支援専門員はサービス計画書(ケアプラン)の作成や、サービス事業者との連絡調整を行う専門職である
- 人間性や情報、知識の豊富さ、相性などが、良いケアマネージャーを選ぶときのポイントである
- ケアマネージャーを尊重し、なんでも話せる関係を構築するとともに、感謝・温かい言葉を掛けることを心がけることが、ケアマネージャーと上手に付き合う方法である
ということがあります。
ケアマネージャーとの信頼関係が構築できれば、満足のいく介護サービスの利用へとつながります。
今回紹介してきたポイントを踏まえ、上手にケアマネージャーと付き合っていきましょう。