ケアマネージャーの資格を取得した後、気を付けなければならないのが、介護支援専門員証の有効期限です。
介護支援専門員証が失効してしまうと、ケアマネ業務を行えなくなってしまいます。
今回はケアマネの有効期限や、更新に必要な研修、主任介護支援専門員に関して解説していきます。
ケアマネの有効期限について、興味がある方はご参考になさってください。
介護支援専門員は更新が必要
ケアマネとして業務に就き続けるには、介護支援専門員証の更新を行わなければなりません。
そして介護支援専門員証の更新には、所定の研修を受講する必要があります。
その① 更新に必要な研修の種類
まずは介護支援専門員の更新に必要な、研修の種類を確認するところからはじめましょう。
ケアマネの更新研修は2通りにわかれます。
1つ目は介護支援専門員として、実務経験がない者を対象とする再研修です。
この研修は、ケアマネの資格試験を合格したのちに受講する、実務者研修と同じ内容ですが、研修時間が異なり、54時間となっています。
また更新を受けず、介護支援専門員証の有効期限が切れてしまった方が、再びケアマネージャーとして業務に就くには、再研修を受講しなければなりません。
研修終了後、新しい介護支援専門員証の発行を受け、ケアマネの業務を行うことが可能になるのです。
2つ目がケアマネとして、実務経験がある者向けの研修です。
専門研修課程ⅠおよびⅡという、2つの研修からなります。
専門研修課程Ⅰは56時間、Ⅱは32時間、合計で88時間の研修です。
専門研修課程Ⅰはケアマネとして業務についてから、6カ月以上を目安に受講することが望まれています。
ケアマネ就業後6カ月以降であれば、介護支援専門員証の有効期限内に、当該研修を受講すれば問題ありません。
専門研修課程Ⅰの内容は保健・医療・福祉の知識、具体的なサービスの連携についてです。
専門研修課程Ⅱはケアマネの仕事に就いてから、3年以上の方を対象とし、専門知識・技術を深めることを目的とした、演習を中心とする研修になります。
介護支援専門員の研修は平成28年度に見直しが行われ、見直し前と比較し研修時間が増加しました。
その② 有効期限について
介護支援専門員証の有効期限は5年間です。
5年ごとに更新の手続きが必要になりますので、介護支援専門員証の有効期限を定期的にチェックしておきましょう。
前の項目で紹介した各研修が修了した後、新しい有効期限が記載された介護支援専門員証が発行されます。
以上がケアマネの更新研修の種類、介護支援専門員証の有効期限についてです。
次の項目から具体的にどのような流れで、研修を受ける必要があるのか、図を交えご紹介していきます。
介護支援専門員の資格更新のフローチャート
介護支援専門員の更新手続きは、都道府県に申請を行います。
都道府県によって、更新申請に必要な書類や研修日時が異なりますので、ケアマネの更新手続きについて、事前に確認しておくことを強くおすすめします。
インターネットで「介護支援専門員 更新 〇〇県(都道府県名)」で検索を行えば、ケアマネの更新手続きに関する情報を見つけられるでしょう。
それでは介護支援専門員の資格更新のフローチャートをご紹介いたします。
以下がケアマネの更新手続きに関するチャートです。
【介護支援専門員証 資格更新のフローチャート】
【参考サイト:広島県社会福祉協議会 社会福祉研修センター 介護支援専門員(ケアマネジャー)の更新及び研修について】
https://www.hiroshima-fukushi.net/k-center/care-manager/overview/p4
介護支援専門員証の有効期限内か、またケアマネージャーとして実務経験はあるかを確認し、フローチャートに沿って必要な研修を受講するようにしましょう。
更新研修が修了したのち、介護支援専門員証の更新申請を行わなければなりません。
更新研修が終わり気を抜いてしまい、介護支援専門員証の更新申請を忘れてしまわぬよう、申請が必要であることを頭の片隅に置いておきたいところです。
主任介護支援専門員とは
さいごに主任介護支援専門員の取得と、研修内容について解説していきます。
主任介護支援専門員とは、ケアマネージャーの上位にあたる専門職です。
居宅介護支援事業所や施設、介護事業所などに所属している、他のケアマネージャーへの助言や指導を行います。
また地域での生活上で困っていることや改善点の洗い出しを行い、その解決を行うのも、主任介護支援専門員の重要な役割の1つです。
ケアマネージャーが居宅介護支援事業所や、介護施設で活躍しているのに対し、主任介護支援専門員はこれらの他に、地域包括支援センターでも業務に従事しています。
介護支援専門員が所属している介護施設には、特別養護老人ホームや老健、介護医療院などが挙げられます。
のちほど詳しく紹介しますが、主任ケアマネージャーになるには、5年以上のケアマネとしての実務経験が求められます。
主任介護支援専門員は、ケアマネージャーのまとめ役・地域社会への高い貢献が求められる専門職と言えるでしょう。
その① 取得に必要な研修を受ける条件
主任介護支援専門員の取得には、主任介護支援専門員研修を受講しなければなりません。
主任介護支援専門員研修を受けるための条件は以下の通りです。
【主任介護支援専門員研修 受講条件】
受講条件①:専門研修課程Ⅰ・Ⅱの修了
受講条件②:原則的に実務経験が5年以上
【参考サイト:広島県社会福祉協議会 社会福祉研修センター 介護支援専門員(ケアマネジャー)の更新及び研修について】
https://www.hiroshima-fukushi.net/k-center/care-manager/overview/p4
受講条件①で挙げた専門研修課程Ⅰ・Ⅱは、前の項目で紹介したケアマネージャーの更新に必要な各研修が、それにあたります。
その② 主任介護支援専門員の研修内容
主任介護支援専門員の研修内容は、都道府県によって異なるものの、主任ケアマネージャーとして必要な知識・技術の習得を目的としています。
主任介護支援専門員の研修時間は70時間です。
ケアマネージャーと同様に、主任介護支援専門員にも有効期限が存在し、有効期限後に引き続き主任ケアマネージャーとして業務に携わるには、更新手続きを行わなければなりません。
主任ケアマネージャーを更新するには、46時間の主任介護支援専門員更新研修を受講する必要があります。
平成28年度に行われた研修課程の見直しにより、当該研修が創設されました。
まとめ
介護支援専門員の更新や資格更新のフローチャート、主任介護支援専門員の研修などを解説してきました。
ケアマネージャー・主任介護支援専門員の更新手続きについて、理解を深められたのではないでしょうか。
介護支援専門員の有効期限は?研修体形をフローチャートでご紹介をまとめると
- 介護支援専門員証の有効期限は5年間である。更新研修を受けず有効期限が過ぎてしまうと、再研修を受けない限り、ケアマネージャーとして業務に就くことはできない
- ケアマネージャーの更新研修は、実務経験の有無によって異なる。更新までに実務経験がない場合は再研修、あるケースでは専門研修課程Ⅰ・Ⅱが更新研修となる
- 主任介護支援専門員はケアマネージャーのまとめ役であり、地域社会への貢献が求められる専門職である。主任ケアマネージャーにも5年間の有効期限が存在する
ということがあります。
ケアマネージャー・主任介護支援専門員ともに、有効期限が存在します。
有効期限は5年間ですので、急を要した研修の手配は必要ありません。
しかし日々の業務に追われ、研修の手続きを忘れてしまうと、場合によってはケアマネージャーとしての活動が行えなくなってしまいます。
都道府県ごとに研修内容や研修日時が異なりますので、余裕を持って介護支援専門員・主任ケアマネージャーの更新手続きを行うようにしましょう。