介護支援専門員がはじめて、利用者・家族の様子を確認できるのが、インテークを行うときです。
インテークは利用者・家族との、信頼関係を築く上で重要なタイミングとなります。
今回はインテークにスポットを当てて、概要やマナー、その心得に関して解説していきます。
インテークについて、興味がある方はご参考になさってください。
そもそもインテークとは何だ!?
まずはインテークとはどのようなことなのか、確認するところからはじめましょう。
インテークとは最初に行う面談・相談を指し示す言葉です。
面談・相談方法は様々であり、電話で行う場合もあれば、直接会って様子伺いすることもあります。
いずれの場合であっても、利用者・家族がケアマネージャーの第一印象を抱くタイミングになります。
介護支援専門員の第一印象は、利用者・家族との信頼関係を築く上で、多くの影響を及ぼします。
そのためインテーク時には、ネガティブなイメージにつながるような、言動は避けたいところです。
次の項目で紹介するマナーを参考にし、インテークを行うようにしましょう。
インテークにおけるマナー
今回紹介するインテークにおけるマナーは4つです。
利用者・家族からの相談を受けた時点で、インテークが始まっているということを、頭の片隅に置いておくことをおすすめします。
その① 電話の受け方
インテークのマナーの1つ目が、電話の受け方です。
事業所によっては電話対応に関する、マニュアルが整備されているケースがあります。
そのような事業所に所属しているのであれば、マニュアルに沿った電話対応を行えば問題ありません。
丁寧ではっきりとした受け答えをすることを心がければ、よりよい電話対応になるでしょう。
電話対応についてのマニュアルがないケースでは、電話を取ったら、はじめに事業所名を名乗ります。
その後、電話相手から介護に関する悩みごとや、介護サービスの利用希望についての話を聞きます。
最後に利用者名、電話をかけてきた人の名前、そして連絡先を聞いたのち、電話を終えます。
もし電話の内容が聞き取りにくかったら、「申し訳ございません。よく聞き取れなかったため、もう一度お願いします」と前置きし、話を続けるようにしましょう。
相談内容や相手の氏名・連絡先などを記録できるよう、事前にボールペン・メモ用紙を用意しておくことを、強くおすすめします。
その② 利用者の自宅を訪問する際の服装
2つ目のマナーは、利用者の自宅へ訪問する際の服装です。
相手へ不快感を与えないように、清潔な服装・髪型を意識するとよいでしょう。
具体的な服装は、所属している事業所で決められている制服があれば、それを着用します。
制服がなければラフな格好になり過ぎないよう、ポロシャツにスラックスを組み合わせた服装が無難です。
スーツに代表されるフォーマルな服装は、利用者・家族からの距離感を広げてしまうおそれがあります。
利用者・家族との距離が縮まっていないと、生活状況や生活を送る上で困っていることを、聞き出すハードルになりかねません。
フォーマルな装いでインテークする際には、利用者・家族との距離感に注意が必要です。
その③ 名刺の渡しかた
3つ目のマナーは、名刺の渡し方です。
事業所・氏名をつげ、胸の高さに両手を上げ、名刺を差し出します。
相手から名刺を受け取る際にも、胸から高い位置で受け取るよう心がけましょう。
いずれの場合も、両手で名刺の受け渡しを行います。
インテーク時に利用者と家族が同席している場合には、はじめに利用者へ名刺を渡したのち、家族へ名刺を差し出します。
その④ 自己紹介の仕方
4つ目のマナーは自己紹介の仕方です。
事業所・氏名以外にも、どのような仕事を行っているのかを付け加えるのが、自己紹介をする際の重要なポイントです。
介護に縁遠い方には、介護支援専門員がどのような職種なのか、理解が難しいケースがあります。
そのため、どのような方であってもケアマネージャーの役割がわかるような、言葉を付け加える必要があります。
介護サービスを利用するときにお手伝いする仕事や、日常生活で困っていることについて相談に乗る仕事などが、自己紹介の際に付け加える言葉として適切です。
以上がインテークにおけるマナーについてです。
次の項目ではケアマネージャーが押さえておきたい、インテークの心得に関して解説していきます。
介護支援専門員が抑えておきたいインテークの心得
今回はインテークを行うときに、心がけておきたい3つのポイントを解説していきます。
その① 生命に関わる事かを判断する
1つ目の心得が生命に関わることかを判断することです。
介護支援専門員が支援を行うのは、原則的に高齢な方になります。
年を重ねると病気やケガのリスクが高くなり、インテークであっても命に関わる連絡である可能性があります。
相談内容が病気・ケガに関することや、本人の様子が普段と違う、飲食が出来ずに困っているなどといった内容の場合には、より注意が必要です。
場合によっては、一刻も早く医療機関への受診が望まれるケースがあります。
電話対応の場合、声に緊迫感がなくとも、話している内容を客観的に判断し、必要であれば主治医・医療機関への連絡や、救急車の手配を依頼しなければなりません。
これらの対応が難しいのであれば、利用者・家族から了解を得たのち、主治医への連絡や緊急訪問などの対応を行うことになります。
その② 誠実な対応で信頼を得る
2つ目の心得が、誠実な対応で信頼を得ることです。
インテーク時に利用者や家族から、すぐに施設へ入所したいや、今からデイサービスへ通いたいなど、介護保険の制度上、実現が難しい要望を告げられることがあります。
さらにインテークを行うときには、相手は慣れない介護で困惑や疲弊していることが考えられます。
実現が難しい要望を告げられたとしても、なぜそのような相談をしてきたのかを考え、その上で行える対策を講じる必要があります。
このとき介護保険の制度上、要望の実現が難しいことも、丁寧に説明を行いたいところです。
その③ 事業所内での決め事やルールを決める
さいごが事業所内での決め事やルールを決めるです。
利用者・家族の状況や、日常生活で困っていること、利用を希望する介護保険サービスなど、インテークで取り扱う内容は多岐に渡ります。
どの介護支援専門員がインテークを行ったとしても、利用者に関する情報や相談内容を記録できるよう、フェイスシートを用意しておくことをおすすめします。
またインテークに関するルールをあらかじめ決めておけば、よりスムーズに介護サービスの利用へつなげることが可能です。
例えば同一事業所内で複数の介護サービスを運営している場合には、依頼があった際にどのような取り扱いを行うか決めておけば、どの事業所を利用すべきか迷うことはありません。
さらにその場で返答するのが難しい内容については、確認後に再度対応するという決まりを定めておくことにより、予期せぬ相談にも対応することができます。
まとめ
インテークとは何なのかやマナー、心得を解説してきました。
インテークについて、理解を深められたのではないでしょうか。
【介護支援専門員の基礎知識】インテークって何?心得るべきポイントを紹介!をまとめると
- インテークとは、最初に行う面談・面接を意味する言葉である
- インテークを行う際には、丁寧ではっきりとした受け答えや清潔な服装・髪型、介護支援専門員の役割を簡単に説明するなどに気を配るとよい
- インテーク時であったとしても、命に関わる相談内容である可能性もあるため、急を要した対応が必要かどうか見定めるよう心がけておきたい
ということがあります。
利用者・家族とのファーストコンタクトがインテークです。
利用者・家族と良好な関係を築き、利用者が安心して日常生活が送れるよう、必要な支援を行いたいところです。
第一印象によってその後の、利用者・家族との関係性が変化することもあるため、インテーク時の対応には十分に注意を払いましょう。