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家族だけではない『介護うつ』介護スタッフも抱えるストレス!燃え尽き症候群になることも・・・

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家族だけではない『介護うつ』介護スタッフも抱えるストレス!燃え尽き症候群になることも・・・

ある日を境に、急に仕事への熱意や前向きな姿勢が失われていく症状を、燃え尽き症候群と呼びます。

燃え尽き症候群になってしまうと、積極的に仕事へ行くことが出来なくなってしまい、休職や退職といった選択肢を選んでしまうケースも見受けられます。

今回は介護士にみられる燃え尽き症候群に関して、解説していきます。

介護士と燃え尽き症候群の関係について、興味がある方は参考になさってください。

介護のプロである介護士もストレスを抱える

介護のプロである介護士もストレスを抱える
介護士であっても介護を業務として行っていくと、ストレスを抱えることがあります。

そもそも介護士は物ではなくサービスを提供する、ヒューマンサービスに従事しています。

物をやり取りするのではないため、ヒューマンサービスは自分の仕事がどのような業績を上げたか、確認しづらい特徴があります。

物を売る仕事や作る仕事であれば、一定個数以上の製品を販売・製造したということで、仕事の成果を確認することが可能です。

しかし介護士はそのような形で、仕事の結果を確認するのは難しいでしょう。

またヒューマンサービスに従事する者は責任感があり、人にやさしい特徴が見られ、このような人物特性から自分をより追い詰めやすい傾向にあります。

そして忙しい業務に従事しているとある日を境に、仕事へのやりがいや熱意が急速に失われてしまうことがあります。

このように燃え尽きてしまったかのように、業務に対する情熱がなくなってしまう状態を燃え尽き症候群と呼称されているのです。

介護士の燃え尽き症候群について

介護士の燃え尽き症候群について

つづいて介護士の燃え尽き症候群について、その背景と要因を解説していきます。

その① 社会的背景

燃え尽き症候群と社会的な背景は、切り離せない要素となっています。

そもそも燃え尽き症候群は、1970年代にアメリカで使われはじめた言葉で、バーンアウトとも呼称されます。

燃え尽き症候群は精神心理学者のハーバード・フロイデンバーガーによって、定義づけられました。

1970年代のアメリカでは、対人サービスの需要が増加した背景があり、リストカットに代表される精神的な病が話題に上がるようになっていました。

前の項目で解説したように、対人サービスでは物質的な需要を満たすのではなく、無形のものを提供する側面があります。

対人サービスの需要が増加する中で、企業競争が激しさを増し、対人サービスに従事している人の負担も大きくなっていきました。

このような社会背景を受けて、燃え尽き症候群が取り上げられ始めたのです。

その② 人間対人間という関係

人間対人間という関係性も、燃え尽き症候群に影響を与えていると考えられています。

対人サービスでは、人間対人間という関係性に重きが置かれる傾向にあります。

そして人間を対象としてサービスを提供するにあたり、相手の感情を考える必要性や相手本位の行動が求められます。

これらの特徴がある対人サービスでは、感情の揺れ幅がより大きくなり、相手の気持ちを尊重した環境に継続的に身を置くことになります。

このような状態が続くと精神的な力が失われ、仕事への意欲も低下してしまい、結果的に燃え尽き症候群に至ってしまうのです。

対人サービスの需要増加や、人間を相手にサービスを提供する仕事の性質が、燃え尽き症候群に結びついているのが確認できたのではないでしょうか。

介護士が燃え尽き症候群になるパターン

次に解説するのは燃え尽き症候群の3パターンについてです。

その① 熱狂型燃え尽き症候群

1つ目は熱狂型燃え尽き症候群です。

精力的に仕事を行う人がかかりやすい、燃え尽き症候群となっています。

持てる力を最大限発揮して仕事に打ち込むため、周囲や自分への不平不満から燃え尽き症候群になってしまいます。

また自分の考え方・能力を信じきっているため、自分の意思に合わない規則や人間関係に対しても、ストレスを感じてしまうこともあります。

その② 挑戦不足型燃え尽き症候群

2つ目は挑戦不足型燃え尽き症候群です。

仕事上での失敗や、仕事で得た成果に対して満足できなかった場合に発症してしまう、燃え尽き症候群です。

仕事をすることによって得られる報酬が少ないと感じ、仕事・対人関係を避けるようになってしまいます。

その③ 疲れ果て型燃え尽き症候群

さいごは疲れ果て型燃え尽き症候群です。

目標や意欲はあるものの、その達成が困難であると過剰に感じてしまうことにより、燃え尽き症候群になってしまいます。

業務をこなしていくのが非常に難しいと感じているため、仕事に対し後ろ向きになっていってしまうことが、特徴として挙げられます。

介護士がなる燃え尽き症候群の症状

介護士がなる燃え尽き症候群の症状

燃え尽き症候群の症状は身体的なものと、精神的な特徴に大別されます。

その① 身体的特徴

はじめに解説するのは燃え尽き症候群の症状にみられる、身体的な特徴についてです。

燃え尽き症候群になると眠れなくなる、もしくは吐き気をもよおす、過度の飲酒・食欲の低下などが、身体的特徴として表れます。

さらには血圧が上昇することや、胃腸の調子が悪くなるなどの、体調にも悪影響が見られはじめます。

その② 精神的特徴

燃え尽き症候群の症状に確認できる、精神的特徴は好きだったことに打ち込めなくなることや、出勤するのが苦痛になり、遅刻・欠勤の頻度が急激に増加することです。

また感情の起伏や仕事への意欲がなくなり、コミュニケーションを円滑に取れなくなってしまいます。

介護士が燃え尽き症候群になる原因

介護士が燃え尽き症候群になる原因

介護士が燃え尽き症候群になってしまう原因は、1つだけではありません。

複数の要素が関係しあって、燃え尽き症候群となってしまうケースも考えられます。

その① 個人的資質

燃え尽き症候群の原因の1つ目は、個人的な要因です。

責任感が強く、自分よりも他人を優先する傾向が高い人に、燃え尽き症候群となる場合が多くみられます。

先ほど解説したように、介護士というのは仕事の成果がはっきりと確認しづらく、場合によっては人不足となります。

確固たる意志を持って業務に従事していないと、想定通りにいかない仕事や人間関係によって、精神を擦り減らし、自分を責めてしまう結果となるでしょう。

その② 環境的要因

介護士が燃え尽き症候群になる原因として、環境的要因も挙げられます。

介護士は業務に従事している多くの時間、自分以外の第三者と接しています。

職場の仲間や利用者の視線を感じつつ、忙しい業務をこなしていくことは精神的な負担が大きいです。

また時には命にかかわる場面にも遭遇する介護士は、自分の体調を度外視して仕事へおもむかなければならないケースも考えられます。

介護士が燃え尽き症候群にならないために

介護士が燃え尽き症候群にならないために
介護士が燃え尽き症候群にならないために重要なことは、2つ挙げられます。

1つ目は生活習慣の見直しを行うことです。

生活習慣の改善として、定期的な運動や朝に起床することを心がけましょう。

定期的に運動すれば体が疲れ、睡眠の質の向上が期待できます。

よく眠れれば朝起きることができ、朝起きて夜寝るという生活リズムの維持につながります。

介護士は夜勤があるため、このような生活リズムを維持するのは困難ですが、可能な限り生活リズムに気を配りたいところです。

また生活習慣の改善の一環として、食事にも着目することをおすすめします。

バランスのとれたメニューで三食、食事を摂りたいところです

2つ目は仕事について、自分の考えを見つめ直すことです。

利用者との距離感は適切であるか、自分が行う必要のない業務について考えを巡らせていないかが、考え直すポイントとして挙げられます。

人には向き不向きがあり、またこなせる仕事量にも限界があります。

限界を超えた仕事は自分だけでなく、利用者や上司、同僚へよい結果をもたらすことはありません。

仕事量について限界を感じているのであれば、上司と相談し業務内容の改善を試みるのも選択肢の1つです。

燃え尽き症候群を治療する薬は存在しません。

生活習慣や仕事への向き合い方を見直し、燃え尽き症候群におちいることなく、日々の業務をこなしましょう。

まとめ

まとめ
燃え尽き症候群の概要やパターン、症状などを解説してきました。

燃え尽き症候群について、理解を深められたのではないでしょうか。

家族だけではない『介護うつ』介護スタッフも抱えるストレス!燃え尽き症候群になることも・・・をまとめると

  • 燃え尽き症候群はバーンアウトとも呼ばれ、燃え尽きたようにある日を境に、急に仕事へのやりがいや熱意が失われてしまう症状を指す
  • 不眠や吐き気、好きだったことに無関心になるなどが、燃え尽き症候群の症状として挙げられる
  • 燃え尽き症候群にならないために、生活習慣の改善や仕事に対する考え方の見直しが有効である

ということがあります。

誰しも燃え尽き症候群になってしまうリスクが存在します。

燃え尽き症候群になる前に、身体的・精神的変化をいち早く察知し、適切な対応を取るよう心がけましょう。

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