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介護が原因で離婚する『介護離婚』が増加中・・・介護うつに陥る現実

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介護が原因で離婚する『介護離婚』が増加中・・・介護うつに陥る現実

両親や義父母の介護を原因とし、離婚を決断するのが介護離婚です。

介護離婚に至ってしまうには介護に関する要因だけでなく、様々な原因があると予想されます。

今回は介護離婚とは何かや、介護に際して発生するストレス、介護うつを解説していきます。

介護離婚や介護うつについて、興味がある方は参考になさってください。

介護離婚とはなにか

介護離婚とはなにか

両親や義父母、その他の家族の介護が原因となり、離婚に至ってしまうのが介護離婚です。

疾病やけがを原因としない限り、介護が必要になるのは高齢になってからであり、介護離婚におちいってしまう方は相応に年を重ねていることが予想されます。

このようなことから介護離婚は、熟年離婚としての側面も有しています。

義父母の介護を行うにあたり、不平不満を感じてしまうことや、介護するために長期間家を空けたことにより、夫婦の溝が広がってしまうことが原因の一つです。

また介護に身を置くことにより、それまで見えていなかったパートナーの一側面を目の当たりにしてしまい、離婚に踏み切る場合も見られます。

ただし家族の介護が必要になったからと言って、必ずしも離婚のリスクが高くなるわけではありません。

介護離婚に至ってしまうケースでは、介護がはじまる以前から夫婦関係に問題があり、そのことが離婚の主な原因となっています。

あくまで介護は離婚に踏み切るきっかけであり、根本的な原因は他にあるということを胸に留めておきたいところです。

義理の両親の介護をすることのストレス

義理の両親の介護をすることのストレス

実の両親であっても、介護を行うことは身体的・精神的に疲労を感じ、精神状態が通常時とは変化します。

特に義父母との関係性が希薄であった場合には、大きなストレスが発生する可能性があります。

どのようなケースでストレスを感じるか、確認していきましょう。

その① 【ケース1】夫が一方的に介護をさせることによるストレス

1つ目のケースは、夫が一方的に介護をさせることです。

女性の社会参加が活発に行われるようになって、月日が経っているものの、介護となると女性が先だって行うべきという考えを持っている人が見て取れます。

先ほど紹介したように日々介護に身をゆだねていると、身体的・精神的に疲れ果ててしまい、ストレスが発生してしまいます。

介護について夫に相談するも、仕事を理由にして話を聞いてくれないと、義父母の介護を夫にやらされているという考えにおちいってしまうのです。

日々の仕事で疲れているかもしれませんが、妻の話を聞くのも介護に関する役割の一つであるということを頭の片隅に置きましょう。

また自分にかわって、親の介護をしていることに対し、感謝と尊敬の念を忘れずに日常生活を送りたいところです。

その② 【ケース2】誰にも相談できず一人で抱えることによるストレス

2つ目は誰にも相談できず、介護に関して一人で抱え込んでしまうケースです。

介護を行っていると、介護手段や介護サービスなどについて、様々な決断をしなければなりません。

介護についてわからないことばかりで、誰にも相談できないと自分を追い詰めてしまい、大きなストレスになってしまいます。

特に真面目であり、他人思いであるような気質がある方は、より一人で抱え込んでしまう傾向があることに注意が必要です。

もしパートナーへ介護について相談するのが難しいのであれば、ケアマネージャーや介護事業所の職員など、介護に携わっている人たちへ相談するのも選択肢の一つとなっています。

介護うつになる前の早期対策

介護うつになる前の早期対策

慣れない介護に身をさらしつづけていると、食欲不振や不眠、気分の落ち込みなどの症状が表れることがあります。

このような状態が2週間以上続く場合、介護うつである可能性があります。

介護うつになってしまうと、日々の生活を満足して送ることができなくなってしまい、回復に必要な時間が長期間となるのです。

これから解説していく、介護うつになる前に行える4つの対策を参考にし、早期対応するようにしましょう。

その① 夫婦間で親(義理の親)の介護についてなるべく早く話しておく

1つ目の対策は夫婦間で親(義理の親)の介護について、なるべく早く話しておくことです。

介護が必要になってからでは、実際の介護に疲れ果ててしまい、理性的な会話が行えません。

両親もしくは義父母の身体・精神が不調であると見て取れるようになったら、介護について話し合っておくことをおすすめします。

話し合う内容は介護の方針や、介護に関する金銭的な負担、主介護者が誰かなどです。

介護の方針は在宅で介護を行うか、もしくは施設へ入所するかなど、具体的であれば後の介護がスムーズに行えます。

介護についてわからないことばかりであることが考えられるため、次の項目で紹介する介護保険に関する知識も前もって収集しておきましょう。

その② 介護保険制度について正しい知識を身につけておく

2つ目の対策は、介護保険制度について正しい知識を身につけておくことです。

核家族化や高齢化などの社会背景を受けて、介護を担うのが家族から社会全体へと移り変わっています。

介護うつにならないためにも、介護保険制度を効果的に活用するのが重要なポイントです。

介護が必要でないとしても、介護に関する市区町村の相談窓口・事業者を前もってピックアップするだけでも、精神的なゆとりが生まれるでしょう。

その③ 『譲れる部分』『譲れない部分』を議論し解決しておく

3つ目は譲れる部分と、そうでないことを議論し解決しておくことです。

夫婦とはいえ、異なる家庭環境で育った別人であるため、お互いの考えを話し合い、譲れないことを擦り合わせておかなければなりません。

原則的に介護が必要になった場合、身体状態が飛躍的に改善することは非常にまれであり、老化によって日々悪化していきます。

最終的には要介護者の生死に係わることにも、向き合う必要に迫られるでしょう。

人がどのように生きていくかということについて、その考えは千差万別です。

そのため、どうしても譲れないことについてはパートナーに主張し、互いに共有できる落としどころを見つけるよう、心がけることをおすすめします。

その④ 他の子供がいる場合はそちらにも頼るようにする

さいごの対策は、他の子供がいる場合はそちらにも頼るようにすることです。

介護を行うに際して、夫婦二人で行えることには限りがあります。

介護の傍ら、仕事や家事など自分たちの生活を送っていかなければならず、他の人間の手を借りなければならない場面が出てくることが予想されます。

他の子供がいるのであれば、そういったときに助力を得られるよう、家族に頼るのも選択肢の一つです。

重要なことは介護にかかわるすべての人が安心して毎日を送れるよう、必要な対策を講じることとなっています。

まとめ

まとめ

介護離婚とは何かや、義理の両親を介護するときに発生するストレス、介護うつにならないための対策を解説してきました。

介護離婚と介護うつについて、理解を深められたのではないでしょうか。

介護が原因で離婚する『介護離婚』が増加中・・・介護うつに陥る現実をまとめると

  • 両親や義父母の介護を原因として、離婚に至ってしまうのが介護離婚である
  • 主介護者一人で介護について抱え込んでしまわないよう、配偶者や家族と協力し、介護を行っていくのがストレスをためないためのポイントである
  • 介護の方針を話し合うことや、介護保険制度について理解を深めることなどを早期に行い、介護うつを患ってしまうのを防ぐようにしたい

ということがあります。

継続的な介護を行うと、身体的・精神的な疲労が蓄積されていきます。

介護について一人で抱え込むことなく、効果的に介護保険制度を活用し、介護者・要介護者がともに満足した日常生活を送れるよう、必要な対策を行いましょう。

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