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介護保険の訪問介護について|身体介護とは?生活支援との違いは?

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介護保険の訪問介護について|身体介護とは?生活支援との違いは?

訪問介護は自宅で住み続けられるよう支援するサービスです。

訪問介護は介護保険を利用して少ない自己負担で利用でき、在宅での生活を続ける高齢者にとっては、とてもありがたいサービスです。

この記事では訪問介護について、サービス内容や費用などについて詳しく解説します。

訪問介護について

訪問介護について

訪問介護とは、介護保険の介護サービスの中の「居宅サービス」と呼ばれる自宅で生活する人を対象としたサービスのひとつです。

以下に訪問介護のサービスの内容、対象、費用などについて説明します。

その① サービスの内容

訪問介護は、訪問介護員(ホームヘルパー)などが利用者の自宅を直接訪問して、入浴、排せつ、食事等の介助などの「身体介護」や調理、洗濯、掃除等の家事といった「生活援助」を行います。

その② サービスを受けられる対象

訪問介護は介護保険サービスであるため、要介護認定を受けた方がサービスの対象となります。

要介護1~5の認定を受けた方は「訪問介護」、要支援1~2の認定を受けた方は「介護予防訪問介護」の対象となります。

この介護予防はあくまで要介護状態にならないための予防という目的のため、身体介護ではなく生活援助が中心となります。

また、要支援1の場合は週2回までといった利用制限もあります。

その③ サービスにかかる費用の目安

訪問介護だけに限らず、介護保険が適用されるサービスは「単位」で料金が決められ、その「単位」は地域ごとに単価が決められてサービス利用料金が計算されます。

一般的には地域単価10円で計算されます。

訪問介護の費用はサービス内容(身体介護・生活援助)、所要時間、その他の料金(加算)で決まります。

以下の表は要介護の方の訪問介護の利用料金例です。

gg0791 表①

※夜間(午後6時〜午後10時)・早朝(午前6時〜午前8時)は25%の割増、深夜(午後10時〜午前6時)は50%の割増料金となります。

訪問介護の利用料金例として、要介護3の利用者(一割負担の方)が週2回、一日45分の身体介助の訪問介護サービスを利用した場合、1ヶ月の利用料金は396円/回×2回×4週=3,168円 となります。 

訪問介護の種類

訪問介護の種類
訪問介護で受けられるサービス内容は「身体介護」と「生活援助」の大きく2つがあります。

「身体介護」は、身体に直接触れて行う介護のことをいい、「生活援助」は、生活に必要な家事が困難な場合に行う日常生活支援のことをいいます。

その① 身体介護

「身体介護」は、食事介助、入浴介助、清拭、排泄介助、歩行介助、更衣介助、体位変換、移乗介助など、身体に直接触れて行う介護のことをいいます。

身体介護の具体例を紹介します。

  • 食事介助:食事の際の支援
  • 入浴介助:全身又は部分浴(顔、髪、腕、足、陰部など部分的な洗浄)
  • 清拭:入浴ができない場合などに体を拭いて清潔にすること
  • 排泄介助:トイレの介助やおむつの交換など
  • 歩行介助:自分の足で歩くことができるように介助を行うこと
  • 更衣介助:衣類の着脱など着替えの介助
  • 体位変換:ベッド上など床ずれ予防のための姿勢交換
  • 移乗介助:ベッドから車いすに移す際の介助

 

その② 生活支援

「生活援助」は、掃除、洗濯、食事準備、移動介助など、生活に必要な家事が困難な場合に行う日常生活支援のことをいいます。

生活援助の具体例を紹介します。

  • 掃除:居間の掃除、ゴミ出しなど
  • 洗濯:衣類を洗う、干す、たたむ、整理まで
  • 食事準備:食材の買い物代行から調理、配膳、片づけまで
  • 移動介助:起き上がる、座る、歩くといった行為が困難な場合や、移動の際に介助をすること
  • その他:爪切り・血圧測定・耳垢の除去など医療行為ではないもの

身体介護でできる事・できない事

身体介護でできる事・できない事

身体介護では、上記のような介助内容は行うことができますが、医師や看護師など専門資格でなければできない医療行為等は訪問介護では受けることはできません。

例えば、インスリンの注射や点滴、経管栄養、摘便や床ずれの処置などです。

痰の吸引に関しては医療行為ですが、定められた研修過程を修了するといった一定条件を訪問介護員が満たすことで行うことが可能です。

生活支援でできる事・できない事

生活支援でできる事・できない事

生活支援では、上記のような生活に必要な家事は行うことができますが、利用者本人が生活を送る上で日常的に必要でない行為や、本人以外に対する行為は行うことができません。

例えば、家具や電気器具の移動・修理、床のワックスがけ、窓のガラス拭き、庭の草むしり、ペットの散歩などは、行わなくても生活に差し支えがないため行うことはできません。

また、家族の分の食事や、家族の部屋の掃除や衣類洗濯などの家事代行、家族の子供の面倒をみるなどは、本人以外に対する行為になるため行えません。

まとめ

まとめ

訪問介護はできるだけ自宅で住み続けられるよう支援するサービスです。

長く自宅での生活を続けるために、日常生活上でできることとできないことを明確にし、困難なことは人の手を借りることも大切です。

在宅で家族が介護をしている人にとっても訪問介護は介護負担を軽減でき、重要な役割を果たします。訪問介護を利用して上手に在宅介護と関わっていきましょう。

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