フットケアとは言葉の通り足をケアすることです。その内容はエステや美容的なものを含めると様々存在しますが、ここでは介護予防を目的としたフットケアについて説明します。
フットケアとはなにか?
フットケアとは足をケアすることを言います。足や爪をよく観察し、爪切りや保湿などの手入れを行います。
足浴やマッサージなども含まれます。
以下に介護予防を目的としたフットケアについて詳しく説明します。
その① フットケアの効果
高齢者は加齢や慢性疾患に伴ってさまざまな足のトラブルが生じてきます。
フットケアはこれらのトラブルを防ぎ、「健康な足」を守るためにとても重要です。
足を清潔な状態に保ち、血流や感覚障害などの異常、たこや巻き爪などを早期に発見して予防・治療を行うことで、高齢者の方が少しでも長く自分の健康な足で歩くことに繋がります。
その② フットケアと介護予防の関係
高齢者は足の変形や乾燥によって、胼胝(たこ)や角質肥厚、爪の異常が起こりやすくなります。
それに加えて高齢者はさまざまな慢性疾患を重複して抱えていたり、末梢感覚が鈍くなる傾向があることから、足の異変に無頓着であったり、気づかずに悪化させてしまうケースも多くあります。
足に病変があると、歩行困難や転倒しやすくなり、寝たきりを招く恐れもあります。フットケアを行うことが介護予防にも繋がるのです。
フットケアの実際
フットケアを行うことで介護予防に繋がることはわかりましたが、ここではフットケアの具体的なやり方について説明します。
その① フットケアのやり方
フットケアの方法を説明します。
- お風呂から上がったら、指の間までよく拭く。
- 足全体、爪をよく観察する。
- 爪が伸びていたら切る。
- ハンドクリームやボディクリームで保湿をする。
- マッサージをする。
皮膚トラブルの予防にはまずは足の清潔を保つことが大切です。毎日入浴し、足を清潔に保ちます。
入浴が難しい場合でもできるだけ毎日足浴を行い、足の皮膚を清潔に保つようにします。
その② フットケアに適した時間帯
足が清潔になり、爪や足の皮膚が柔らかくなっているお風呂上がりがフットケアに最も適した時間です。
足が汚れた状態では足の観察がしにくく、足の皮膚や爪が硬い状態では、爪切りが安全に行えず、怪我の原因にもなります。
マッサージは歩く前の転倒予防になるため、起床後横になったまま行っても良いです。
その③ 爪の切り方
爪を切る際、一度に切ろうとすると深爪や怪我の原因になるため、2段階カットがオススメです。
- 水平にカットする。
- 両角をカットする(スクエアオフ)。
- 爪の左右の端から中央に向かってヤスリをかける。
爪の長さは足指先に平らなものを当てて、爪が当たらないくらいの長さが良いです。
白い部分がなくなるような深爪はしないようにしましょう。
爪のトラブルは、爪の切り方が原因となっていることが多いです。
長く伸びたままの爪は靴の中やあちこちにぶつかり、割れたり剥がれたりするリスクがあるほか、肥厚の原因にもなります。逆に爪を深く切りすぎると、巻き爪や陥入爪の原因となります。
一般的なグリップ型の爪切りは使用しやすい反面、脆弱な爪や肥厚した爪のケアには向きません。
そのような爪は無理に自分では切ろうとはせずに、爪やすりのみで整えるようにし、専門家に相談すると良いです。
その④ マッサージの方法
マッサージは疲労回復、リラックス効果だけでなく、血液循環、リンパの流れを促し、冷えやむくみを改善させる効果があります。また、筋肉を柔らかくし、弾力をもたせ運動をしやすくする、関節の可動域を広げる効果もあります。
マッサージを行う手順を説明します。
- 左手にかかとを乗せ、ぐるりとゆっくり左右の両方向に足首を回す。
- 足裏をらせん状にマッサージする。
- 足甲をらせん状にマッサージする。
- 爪の周囲をマッサージする。
指の側面を指先に向かってしごくようにマッサージする。
次に根元から指先に向かって軽く引くような感じで指の両サイドをマッサージする。
フットケアに関連する正しい靴の選び方
指先が靴の先に当たっていたり、足の長さや幅が合っていないような靴は、靴擦れに始まり、足や爪の変形、たこや魚の目などの皮膚トラブルを招いてしまいます。
靴を選ぶ際のポイントです。
- 足幅が合うか(つま先に指を広げられるゆとりがある)
- サイズに余裕があるか(つま先に当たらないゆとりがある)
- 通気性が良いか
- 足が適度に固定され、安定性は良いか(甲と踵はある程度硬い方が安定性がある)
- 土踏まずのアーチがフィットしているか
正しい靴の履き方は、座った状態で靴のかかとをトントンと床に当て、きちんとかかとと靴を合わせます。
その状態で、靴紐やマジックテープをしっかりと締め、足が靴の中でずれないようにします。
靴紐を結んだまま靴を脱ぎ履きするのではなく、足や足首をきちんと固定できるように、着脱の都度締め直すと良いです。
靴を履く際は必ず靴下を着用しましょう。室内でも靴下を着用することで、保湿や怪我の予防になります。
まとめ
この記事ではフットケアについて詳しく解説しました。以下にこの記事の内容についてまとめます。
- フットケアとは足や爪をよく観察し、爪切りや保湿、マッサージなどの手入れを行うことを言います。
- 高齢者は加齢や慢性疾患などにより、足のトラブルが起こりやすくなり、それにより歩行困難や転倒しやすくなり、寝たきりを招く恐れもあります。フットケアを行うことが介護予防に繋がります。
- 爪の切り方や靴の選び方も重要で、間違った方法では足のトラブルを招く原因となります。
- マッサージは疲労回復、リラックス効果だけでなく、血液循環、リンパの流れを促し、冷えやむくみを改善させたり、筋肉を柔らかくし、弾力をもたせ運動をしやすくする、関節の可動域を広げる効果もあります。
フットケアは専門家に行ってもらうのが一番効果は期待できますが、フットケアはご自分やご家族の方が行うものでも十分に効果があります。
ご家族の方が行う場合は、肌が触れ合うスキンシップとなり、高いヒーリング効果をもたらします。
マッサージの技術は関係なく、フットケアを行うということに意味があると言えます。
ご自分で行う場合でも、自分の足に関心を持つことは健康な足を保つことになり、介護予防に繋がります。