介護予防認知症対応型通所介護とは、簡単に説明すると、要支援の認知症の方の通所介護です。
この介護予防認知症対応型通所介護について、対象者や費用なども含めて詳しく説明します。
介護予防認知症対応型通所介護の概要
介護予防認知症対応型通所介護とは、軽度の認知症の方に対して、入浴、排泄、食事に対する介護や、生活等に関する相談、健康状態の確認、機能訓練(リハビリテーション)等のサービスを受けることをいいます。
家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、認知症の方々が通って生活を行うものです。
要介護状態になることをできる限り防ぎ、その発生を予防する、あるいは状態がそれ以上悪化しないようにすることを目的としており、認知症の利用者に対して専門的なケアを提供します。
その他にも、自宅にこもりきりの利用者の社会的孤立感の解消や心身機能の維持回復および家族の介護の負担軽減なども目的として提供されています。
介護予防認知症対応型通所介護の対象者とサービス内容
介護予防認知症対応型通所介護の対象者とサービス内容について説明します。
その① 対象者について
介護予防認知症対応型通所介護の対象者は、要支援1または要支援2の認定を受けていることが原則となり、これに加えて認知症の症状が明らかに見られる人となります。
しかし、認知症であっても認知症の原因となる疾患が現在急性の状態にあるという場合には、介護予防認知症対応型通所介護の対象となりません。
その② サービスの内容について
介護予防認知症対応型通所介護で提供されるサービスの内容は、施設によってあるいは、ケアプランの内容によっても異なりますが、一般的なサービス内容は以下のような内容です。
- 居宅からの送迎
- 血圧測定などの健康チェック
- 食事の提供
- 排泄の介助
- 入浴の介助
- 簡単な機能訓練(リハビリテーション)
- レクリエーション
- 時期によっては四季折々のイベント
介護予防認知症対応型通所介護の費用について
介護予防認知症対応型通所介護における利用者の費用の負担は、原則として1割負担となっています。
ただし、一定以上の所得のある方の場合は2割又は3割負担となります。
介護予防認知症対応型通所介護のサービスを提供する事業所の種類には「単独型」「併設型」「共用型」があります。それぞれの種類によって費用は異なります。
- 単独型:特別養護老人ホーム等の社会福祉施設等に併設されていない事業所
- 併設型:特別養護老人ホーム等の社会福祉施設等に併設されている事業所
- 共用型:認知症対応型共同生活介護事業所、地域密着型特定施設又は地域密着型介護老
人福祉施設の居間又は食堂、共同生活室において認知症対応型通所介護を行う事業所
送迎費はこの費用に含まれていますが、食費やおむつ代などは、別途自己負担となります。
また、要支援1と要支援2の区分、滞在時間、利用者の状態に応じたサービスの提供、事業所の体制、介護職員処遇改善加算(現行加算)、介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)などにより、実際の利用料が変わります。
詳しくはお住まいの自治体の窓口にご確認ください。
その① 要支援1の場合に利用できる回数と料金の目安
介護予防認知症対応型通所介護の要支援1の方の利用回数の上限は、単独型の場合は月月5回ほど、併設型の場合は月6回ほど、共用型の場合は月10回ほどです。
通所介護の場合は、週◯回という利用の仕方が多いため、単独型・併設型の場合は週1回の月4回利用、共用型の場合は週2回の月8回利用が目安となります。
単独型で週1回利用の場合は利用料金は3,424円、併設型で週1回利用の場合は利用料金は3,076円、共用型で週2回利用の場合は利用料金は3,856円です。
その② 要支援2の場合に利用できる回数と料金の目安
介護予防認知症対応型通所介護の要支援2の方の利用回数の上限は、単独型の場合は月月10回ほど、併設型の場合は月12回ほど、共用型の場合は月20回ほどです。
通所介護の場合は、週◯回という利用の仕方が多いため、単独型の場合は週2回の月8回利用、併設型の場合は週3回の月12回利用、共用型の場合は週5回の月20回利用が目安となります。
単独型で週2回利用の場合は利用料金は7,648円、併設型で週3回利用の場合は利用料金は10,308円、共用型で週5回利用の場合は利用料金は10,200円です。
要支援1の場合も要支援2の場合も、これはあくまで目安であって、他の介護サービスも必要な場合は、その利用料金を差し引き通所介護の利用回数を検討する必要があります。
要支援の方に多い他の介護サービスの利用例は、訪問介護(家事援助)、福祉用具(歩行補助杖)レンタルなどです。
まとめ
この記事では介護予防認知症対応型通所介護について詳しく解説しました。
以下にこの記事の内容についてまとめます。
- 介護予防認知症対応型通所介護は、要支援1又は2の認定を受けている認知症の方に対して、健康状態の確認、入浴・排泄・食事介助や、機能訓練等のサービスを行います。要介護状態になることをできる限り防ぎ、状態がそれ以上悪化しないようにすることを目的とし、認知症の利用者に対して専門的なケアを提供します。
- 介護予防認知症対応型通所介護における利用者の費用負担は、原則として1割負担(一定の所得のある方は2〜3割)です。「単独型」「併設型」「共用型」の3種類があり、それぞれ利用料金は異なります。利用回数の目安は単独型の場合、要支援1は週1回の利用で3,424円、要支援2は週2回の利用で7,648円です。
要支援の方は認知症でも身の回りのことが自分でできる状態で、症状は軽度の方がほとんどです。
今は色々なことができていても病気が進行していくと、徐々にできないことも増えていきます。
要支援の段階から認知症対応型通所介護に通い、自宅にこもりきりの生活を改善したり、認知症の専門的なケアを受け、介護予防に努めると良いでしょう。