リハビリは病院や施設で受けるものだと思いがちですが、自宅にリハビリ専門職が来て受けることができる訪問リハビリテーションというものがあります。
この記事では介護予防訪問リハビリテーションについて詳しく解説します。
介護予防訪問リハビリテーションの概要
介護予防訪問リハビリテーションとは、高齢者が要介護状態等になることを予防する目的で行われる、介護予防サービスの一つです。
自宅などに住む高齢者の元へ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門家が訪問し、リハビリテーションを行います。
高齢者が、可能な限り自立した日常生活を自宅などで送ることができるよう、心身機能の維持回復、日常生活の自立などの目標を立て、リハビリテーションを行います。
介護予防訪問リハビリテーションの対象者とサービス内容
介護予防訪問リハビリテーションの対象者とサービス内容について説明します。
その① 対象者について
介護予防訪問リハビリテーションは、要支援1あるいは要支援2の方が対象となります。
その② サービスの内容について
介護予防訪問リハビリテーションでは、おおよそ次のような訓練やリハビリテーションが行われます。
- 身体機能:関節拘縮の予防、筋力・体力の維持、褥瘡の予防、自主トレーニングの指導
- 日常生活:歩行練習(屋内、屋外)、基本動作訓練(寝返り、起き上がり、移乗動作など)、日常生活動作訓練(食事や更衣、入浴、トイレ動作など)
- 家族支援:歩行練習(屋内、屋外での介助方法の検討、指導)、福祉用具・自助具の提案、住宅改修に関する助言
介護予防訪問リハビリテーションの費用について
介護予防訪問リハビリテーションの費用は、1回あたり20分以上のサービスを行った場合、1回(20分)あたり307円です。
これは自己負担割合が1割の方の自己負担額です。
週に6回(120分)まで介護予防訪問リハビリテーションが利用できます。
一般的には1回の訪問で40分のリハビリを実施する場合が多く、40分の場合は週3回まで利用することができます。
その① 要支援1の場合に利用できる回数の目安
要支援1の方の区分支給限度額は、50,320円(自己負担が1割の方の場合は、5,032円が負担金額)であり、1ヶ月あたりこの金額までの介護サービスが保険適応で利用できます。
区分支給限度額を超えた分のサービスは自己負担となります。
要支援1の方の場合、40分のリハビリを利用する場合は、月8回、週2回まで区分支給限度額内で利用することができます。
20分のリハビリを利用する場合は月16回、週4回まで利用できます。
これは介護予防訪問リハビリテーションのみを利用する場合であり、他の介護保険サービスを利用する場合は、それらも合わせて5,032円までとなります。
その② 要支援2の場合に利用できる回数の目安
要支援2の方の区分支給限度額は、105,310円(自己負担が1割の方の場合は、10,531円が負担金額)であり、1ヶ月あたりこの金額までの介護サービスが保険適応で利用できます。
区分支給限度額を超えた分のサービスは自己負担となります。
要支援2の方の場合、40分のリハビリを利用する場合は、計算上は月17回まで利用できますが、週120分までと限度が決まっているため、月12回、週3回が限度となります。
20分のリハビリを利用する場合も同じく月24回、週6回が限度となります。
他の介護保険サービスを利用する場合は、それらも合わせて10,531円までとなります。
まとめ
この記事では介護予防訪問リハビリテーションについて詳しく解説しました。
以下にこの記事の内容について、まとめます。
- 介護予防訪問リハビリテーションとは、自宅などに住む高齢者の元へ、理学療法士等の専門家が訪問し、リハビリテーションを行うことです。高齢者が、可能な限り自立した日常生活を自宅などで送ることができるよう、心身機能の維持回復、日常生活の自立などの目標を立て、リハビリテーションを行います。
- 介護予防訪問リハビリテーションの対象者は要支援1あるいは要支援2の方で、リハビリテーションの内容は、身体機能訓練、日常生活訓練、家族支援などです。
- 介護予防訪問リハビリテーションの費用は、1回あたり20分以上のサービスを行った場合、1回(20分)あたり307円です。週120分までと限度が決まっています。また、介護区分に合わせて区分支給限度額が決まっているため、それぞれ限度額内の回数で利用します。
病院から自宅へ退院となった後も自宅での生活動作に不安がある場合や、病院ではうまくできたのに、自宅ではできないことなども出てくると思います。
訪問リハビリテーションは実際に生活を送る環境でリハビリを行うことができるため、生活動作に直結しています。
介護保険を使って自己負担も少なく利用することができます。
自宅での生活を安心して安全に送るために、訪問リハビリテーションの利用も考えてみてはいかがでしょうか。